神田雑学大学講座NO224(2004年7月23日)

ホルミシス効果!医学界も注目

講師 日置 光夫

潟Gコテック開発 代表取締役


目 次

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温泉インチキ商法

ホルミシス効果とは

低線量の放射線

太陽光線と波長

玉川温泉がなぜいいのか

玉川温泉と北投石

目にあまる健康グッズ

インチキが多いトルマリン商品




温泉インチキ商法

 このところ、長野の有名な温泉地「白骨温泉」が、草津の入浴剤を使っていたことがバレて大問題化しております。世界的にも、日本人ほど温泉好きの民族はおりません。身近なところに温泉が沢山あって、昔から湯治という体を直すための風呂として温泉が親しまれてきました。最近、入浴剤を入れなければならないほど、温泉のお湯が枯れてきたりしているので、インチキ商法が横行しております。

 温泉がホントに身体に効くのは、「かけ流し」といって生の温泉湯でありまして、循環温泉湯というのは全く意味がないと言われております。現在、ほとんどの温泉は循環湯になっているそうですが、その中で、秋田県の玉川温泉・鳥取県の三朝温泉・山梨県の増富温泉は、身体にいいという証明が最近論理的に出ております。

ホルミシス効果とは

 これは「ホルミシス効果」と言われております。
 あまり耳慣れない言葉ですが、本年2月16日、朝日新聞の朝刊の書籍広告に出ている「玉川温泉の北投石」(日本ホルミシス療法研究会編)に、既に書かれております。さきほどの温泉が何故効くのかを、科学的に証明されはじめたのであります。これは端的に申し上げると、薬石ではなく放射線です。

 しかし、世界で唯一原子爆弾の洗礼を受けたわが国においては、一種の拒否反応があります。放射線は身体によくないというのは常識化されておりますが、しかし、最近の研究では、「低線量放射線」は身体にいいということが、判ってきました。「低線量」に対して「高線量」の放射線は、明かに身体に悪い。つまり一瞬にして「高線量」の放射線を出すのは、原爆、水爆ですが、確かに身体の細胞を破壊する。それとは反対に「低線量放射線」は身体にいい影響を及ぼす、ということであります。

 月旅行を行なったアメリカのアポロ計画で、宇宙へ飛び立った宇宙飛行士が、宇宙では大変な量の放射線を浴びて帰ってきている。宇宙には膨大な量の放射線が存在している。太陽光線は、宇宙から降ってくるのですが、ほとんどのエネルギーは太陽光が元になっている。太陽光で地球に入ってくるのは0.1ミクロンまでの波長のもの(紫外線)で、それ以下の短い波長のものはオゾン層で撥ね返って宇宙に戻ってしまう。すなわち、宇宙は危険な放射線で溢れている。その宇宙へアポロ計画乗組員が行って、帰ってくる。

 アポロ宇宙船も乗員の宇宙服も、厳重な防護壁と膜に守られているが、それでも放射線は防ぎ切れない。しかし、それで宇宙飛行士が命を失うかと思うと、みんな健康状態を維持して、何回でも宇宙に行ける。これはどういうことかと、アメリカのNASAが生命科学の世界的権威のラッキー・D・トーマス博士に依頼して、研究してもらった結果、宇宙の放射線防壁を通して少量を浴びる場合は、むしろ健康にいいとう学説を発表したのであります。

    


低線量の放射線

 どのくらいの放射量かというと、地上の大気、食物、周りのモノなどには放射線がいっぱい入っている。人間は知らないうちに放射線を浴びているが、放射線の単位でいうと平均2.4ミリシーベルト/年間を受けている。従来の医学では、これも身体によくないといわれていたが、ラッキー教授の研究では、2.4ミリシーベルトの100倍の低線量までは、むしろ人間の身体にガン抑制遺伝子P53が活性化して好影響を与えることが判った。P53は人間誰も持っている遺伝子であるが、これが活性化すると制ガン効果が出てきて、そのほかSOD、GPX、CATとかの坑酸化酵素が活性化して各種ホルモンの分泌がよくなる。

 最大の問題は、細胞膜に蓄積した過酸化脂質を減少させる効果があるという研究結果が出ていることであります。男性は加齢によって女性が嫌う匂いを発する。過酸化脂質が表面に出て匂うからです。若い女性、娘さんにすら嫌われる匂いを、高年齢の男性は出すようになる。身体でエネルギーを燃やした一種の油粕なんですね。これは、誰しも避けることはできない宿命だから、女性の皆さんにはご寛恕願いたい。低線量放射線は、過酸化脂質を減少させる効果が、そのようにあります。

   ラッキー博士は、そのような効果を「ホルミシス効果」と名付けたのであります。
「ホルミシス」とはギリシャ語で、刺激するという意味ですが、放射線学会では通常に用いられ言葉です。先ほどご覧いただいた広告の「玉川温泉の北投石」も「ホルミシス効果研究会」となって、通常に使われる状況になっております。
では「ホルミシス効果」はどのように現れるか、といいますと「波長の短い放射線」、一般的に「ラジュウム温泉」とか、「ラドン温泉」とかの形で現れます。

 いま、放射線というおどろおどろした言葉を使いましたが、これは簡単に表現すると「電磁波」の一種です。皆さんご存じの赤外線・遠赤外線などと一緒であります。遠赤外線は波長が3ミクロンから1000ミクロン(1mm)の間の太陽光線を指す。お手元の波長別による太陽光線の分類表をご覧下さい。黒い紙に、太陽光を凸レンズで焦点を合わせると紙が燃えることは、少年時代に実験しました。この光が、素麺のような束になったら、大変な力になります。これがエネルギーの実態です。

太陽光線と波長

 太陽光線で我々が一番感じるのは、プリズムで分けた七色に見える可視光線です。波長が0.38ミクロンから0.77ミクロンの間の目に見える光線です。近赤外線とは1ミクロンの波長で、外科のお医者さんの赤外線ランプに相当する光です。そのほかにもっと波長の長い遠赤外線というのがあって、その中の4ミクロンから14ミクロンの範囲の光線は、育成光線といって、細胞活性化に役にたつ光線であります。

 ところで、目に見える可視光線と、その近くにある紫外線と近赤外線を含めて反射光といいますが、波長が0.1ミクロン以下のX線やガンマ線は透過光といって、人体をつき抜ける。逆に反射光より波長の長い光は、遠赤外線といって吸収光であります。たとえば遠赤外線ロースターなどは、1000ミクロンまでの電磁波を出して魚を焼くと、電磁波が魚に吸収されるから、中から焼けて表面が焦げないという原理になる訳です。

 それと似た性質を持っているのが備長炭(びんちょうたん)。身体に密着する下着などに粉を織り込むと、電磁波が吸収されて温まるという利用法になる。ホルミシスは0.1ミクロン以下の非常に波長の短い放射線です。太陽光線のエネルギーは波長の長いものより、X線やガンマー線のように波長の短い放射線の方が大きいエネルギーを出す。これが放射線の特徴です。

玉川温泉がなぜいいのか



 玉川温泉で一番いいのは、岩盤浴であります。大きな岩畳があって、それに転がり毛布をかぶって、岩盤から出る熱と放射線を一度に身体に浴びる。熱は一種の温熱療法となり、身体が温まったところへラドン光線(低線量放射線=自然放射線の100倍以内)が入ってきて、好結果をもたらす。

 地上で人体が自然に受容する自然放射線は、年間2.4ミリシーベルトで、ホルミシス理論では、その100倍までを健康のための許容範囲であるとしている。その具体的効果は
(1) ガン抑制遺伝子P53の活性化
(2) 活性酸素の危害を抑え、細胞を守るために細胞内に作り出され
   る抗酸化酵素SOD、GPX、CATの顕著な増加
(3) 各種ホルモンの増加
(4) 細胞膜に蓄積した過酸化脂質の減少
  などであります。

 これを、わが国ではどのような形で受けとめたかというと、岡山にある電力中央研究所(原爆症などを研究している)が、1980年に発表されたラッキー教授の論文に着目し、アメリカから資料を取り寄せて、全国の大学の研究所に低線量放射線の実験を依頼しました。それは現在まで続いており、その中でP53の活性化をはじめとする(1)−(4)の具体的効果を検証したのであります。

 じつは、1970年代に東北大学医学部で、すでに放射線を使ったガン抑制の研究が進められておりました。しかし、当時はホルミシス効果という言葉は使われていなかったが、低線量放射線を全身浴に行ない、2週間後に半身浴をすることを繰り返すと、ガンによる余命は飛躍的によくなるという結果を入手しておりました。それを含めて電力中央研究所はホルミシス効果の研究を続けているのですが、膨大な予算が必要であり、また臨床結果もまだ不充分であるということです。

 それがホルミシス効果研究の現状です。しかし、世間の常識として玉川温泉の効果はとっくに認知されていたわけです。いま、玉川温泉は有名になって、特に難病に悩む方が湯治を申し込みすると、半年先まで満杯だといわれるそうです。ガンの進んでいる人は間に合わないことになります。年間25万人の方が玉川温泉に身体を寄せているそうです。と、いうことは、よく効くということになります。

 合わせて、山梨の増富温泉とか、鳥取の三朝温泉が効くといわれておりますが、その中でラドン効果が最も出ているのは、玉川温泉です。私は岩盤浴という温熱療法が重なって、いい結果が出ていると思っております。玉川温泉の北投石というのは、台湾の台北の郊外に北投温泉があり、明治30年代に東京帝国大学の理学部の先生が玉川温泉と比較した結果、同じ効果のある鉱物が存在することが判りました。

玉川温泉と北投石

 玉川温泉があとから出た温泉だったので、玉川温泉の岩盤の石は、北投石と名付けられたのです。ついでに申し上げると、台湾でも日本でも、北投石は天然記念物で、どちらも持ち出し禁止です。ですから世間に北投石が売られていることはあり得ない…・。ところが健康グッズの通販などで、北投石で作ったネックレスや、腕輪とかのいかがわしいものが、平気で売られているのですね。誤魔化されないように、気をつけましょう。

 では、放射線がどうしてそのように違うのか、ということをお話しましょう。 地球の誕生は45億年前と言われています。ウラン鉱ができたのは35億年前です。そのころ、地球には生物が生息するような条件は整っていません。海がようやくできたころでしょう。オゾン層もできていません。太陽の光線がどんどん地球に降り注いでいた。地球の表面温度は、30,000℃だったと推定されます。

 その当時、出来上がった地表の中にウラン鉱があった。隕石も盛んに降り注ぐ。いまでもオーストラリアに直径21kmの隕石落下の大穴があります。その隕石が背負ってきた宇宙線が、ラジウムであり、ウランであり、波長の短い強烈な放射線を発する性質のものです。それがあちこちに落下して、地中深く地層を形成した。その一つが秋田の玉川温泉のラドンであり、台北の北投石温泉だということになります。

 街の健康温泉などで「ラドン温泉」と書いてあるのを見かけますが、あれは大ウソです。
街中にラドン温泉なんかある訳がない。いま、世の中ホントに商業的というか、インチキが横行しております。後ほどお教えしますが、世の中の変化とともに常識も変化するので、常に何故だろうと考えて、騙されないように気をつけましょう。女性の詐欺師にやられるインチキ商法の被害者は、年配の女性が多い。

目にあまる健康グッズ

 日本の厚生労働省は規制優先で、膨大な時間と費用を要する臨床データを揃えないと療法を認めてくれない。そこで、厚生労働省の規制外の健康商品で、すでにホルミシス効果のあるものがドンドン出始めております。富士紡績鰍ヘホミシス効果を使った寝具一式の市販を始めました。それは、ステイヤーズという繊維にホルミシス効果を出すという鉱物の粉末を染み込ませて蒲団を作ったものです。「ラジョリターフ」という名の高額商品(寝具一式20万円)を治療院などを使って市販しています。

 しかし、その効果を発する岩石が何であるかを、曖昧にしているので、どれだけの効果があるかどうかは、疑問であります。ちなみに富士紡績が作っている「スイテイヤーズ」という繊維は、圧力タンクに減圧装置をつけて、その中に繊維を入れ、放射線の出る岩石の粉末を加えて減圧すると、ホルミシス効果の出る繊維が出来上がるという仕組みのようです。しかし、ガイガーカウンターで計ると全体にバラツキが多いそうです。

 さらにベッドに敷くパットがシングルで10万円、ダブルで14万円。こんな高価なものを、街の治療師を使って、手の込んだ販売方法で売っています。ある程度名のある接骨院と契約する。そこには身体に障害がある人がやってくるから、お客を探す手間が掛からない。接骨医を代理店にして販売しているのです。

 こんな状況の中で治療師筋から、ホルミシス効果のあるパウダー製品が作れないかといってきたのは、昨年の夏のことでした。私の会社は開発会社ですが、背景に野中順治博士という岩石専門の学者が顧問をしております。この先生の協力でホルミシス効果のある岩石を作り上げました。富士紡績のラジョリターフは「P53を活性化して、抗ガン性が出ます」とはっきり謳っています。厚生省からチェックが入ると不味いから「治る」とはいっていない。しかし、説明文を読むと「治り」そうなことが書いてある。その他にも、ホルミシス効果のあるサポーターなども、すでに売られております。

 以上のように、各企業、大学などでホルミシス効果の研究や開発が盛んに行なわれている反面、待ちきれないという感じで、ホルミシス効果のある健康グッズが商品化されている。その結果、玉川温泉がさらに有名になってきて、お客(患者)を収容し切れないほどになっている。そうすると、源泉からお湯を引いて、下流に新玉川温泉ができるという始末です。ところが、我が野中顧問に聞くと、温泉の効果があるのは源泉だけで、下流になると効果は無くなるそうです。これも温泉の名を使った怪しげな商法の一部かもしれません。

 玉川温泉の源泉の場合は、ラドンが充分出ていることと、岩盤浴という玉川温泉独特の温熱療法が併用されていることによって、間違いなく効いているし、現実に治った人がたくさんいる。ガンが治るのだから、こんなに有り難い話はありません。ぜひご認識戴きたいと思います。

インチキが多いトルマリン商品

 おなじ健康商品でも、見えみえのインチキが多いので、2、3ご紹介しますと、あるスパーに「トルマリンテープ」という商品が出ています。これに堂々と「マイナスイオンの出るテープ」という宣伝をしております。マイナスイオンという言葉を最近よく聞きますが、マイナスイオンとは、いったい何か。

 現在、マイナスイオンは身体にいいという証明は、全くありません。なのに一番利用したのは家電メーカーです。ある家電メーカーは、感じのいい女優の鶴田真由を使って「マイナスイオンご馳走様」というエアコンのTVCMを流して、大もうけをしました。学問的にいうと「マイナスイオン」という言葉はなく、商業的に作られた言葉です。正式にいうなら「マイナス空気イオン」です。

 滝壷の近くなどの会話で「マイナスイオンだからスーッとしたでしょう」という言葉を聞きます。滝は高いところから水を落とすと、水は岩に砕ける。すると水破壊の「レナード効果」と呼ばれる酸素(O)と水素(H)に分離する現象が起き、その内の水素がスーッとさせる効果をもたらす。悪い事はないけれど、健康にどれだけいいかは何も証明されていない。この程度の気持ちいいことは、家庭でもできます。換気扇を廻しながら風呂場でシャワーを強く出して浴びる。マイナス空気イオンが発生します。

 トルマリン単体ではマイナスイオンは発生しません。トルマリンに極微量の放射線を加える必要があるのです。先ほど話したスーパーが売っているマイナスイオンの出るテープとは、ウソです。仮に出るとしても、テープを肌に貼ったら空気が対流しないから、空気イオンもでない真っ赤なウソです。

 大手メーカーで、マイナスイオンを売りに、商品を大宣伝している会社が色々あります。空気中にはマイナスイオンもあれば、プラスイオンもあります。ところが、計測器のマイナスイオンのデーターだけをカタログに載せて、マイナスイオン、マイナスイオンと宣伝しているのです。
先ほどのエアコンの家電メーカーは、ある公的研究機関からクレームをつけられたので、以後、各家電メーカーはマイナスイオンの宣伝を自粛しております。そのようなインチキが横行する中で、ごく身近な例として玉川温泉のホルミシス効果は、正真正銘であるお話を申し上げました。

 さて、ここで太陽光線の波長をもう少し詳しく申し上げましょう。

    


 レジメの波長別による太陽光線の分類をご覧下さい。
七色がついている部分に可視光線という説明がついております。 その右側、波長が0.38ミクロン以下0.1ミクロンまでを紫外線といいます。可視光線の七色の最右翼、「紫」の外側にあるから紫外線と表現しております。赤い色0.77ミクロンから外側にある光線は、赤外線です。

 かっては、太陽のあらゆるエネルギーが全部地球に降り注いでいた。その内に地球に生命が誕生して、生物が生きるようになると、神の摂理とでもいいましょうか、それを保護するように波長の短い光線は、出来上がってきたオゾン層で撥ね返って宇宙へ戻ってしまう。しがってX線、γ(ガンマー)線に相当する電磁波は、地上にほとんど存在しない。

 地球の内部から、たまたま出てきたもの、たとえば温泉の源泉という形のものしかない。
存在しないのに、たとえば現実にX線が存在するのは、人間が作り出したからです。 ラドンとか、ラジゥムとかは、たまたま地中深く入っていたものが、地表に出てきただけのもので、何処にでもあるものではありません。

 波長の長い電波は、携帯電話その他の電気製品など、人工的に作り上げたものです。
携帯電話は脳によくないといわれますが、ホントによくないらしい。大脳が包んでいる脳の中心に松果体があります。人間のホルモンバランスを司る機能を持っている大事な器官です。抗ガン性、セックスを抑える機能、乳ガンを抑える機能があります。携帯電話の電磁波によって松果体が影響を受け、脳全体に悪影響を及ぼすことが証明されはじめている。

 先ほど、玉川温泉の温熱療法が効果があるといいましたが、東洋医学では古代からその考え方があります。遠赤外線を使った健康商品は東洋医学の原理の延長線上にあるものです。ただし、ホルミシス効果は現代科学そのもので、どちらかといえば西洋医学に近い。私達は、遠赤外線を出す健康クリーム・トルマリンハイブリッドクリームをすでに開発しております。さらにごく最近、新たにホルミシス用のネオ・ミネラルパウダーを作り出しました。これは東洋医学の波長の長いものから、西洋医学の分類に入る波長の短いもの、つまり全体をカバーできるスパンの長い商品の開発をしていることを申し上げておきたい。
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終り

文責:三上 卓治

講座企画・運営:吉田源司 会場写真撮影:橋本 曜 HTML制作:大野 令治