| 神田雑学大学講演抄録 第354回 平成19年4月6日 |
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● プロフィール |
はじめに |
情報収集 |
服装と装備 |
巡礼の手続き |
歩き方 |
巡礼の道とは |
道中の挨拶 |
公称の全行程 |
写真の説明(まり子夫人) |
●プロフィール![]() 工学博士 安田 享祐 元NTT開発技術研究所主任研究員 リタイヤ後パソコン教室を開いた。夫はWindows、まり子夫人はMac担当という理想的な経営を行う。四国歩き遍路をはじめとして旅を共通の趣味とし、一昨年はヨーロッパ鉄道旅行、昨年はスペイン巡礼の道を歩いた。 はじめに四国歩き遍路に数度挑戦したことは、かつて神田雑学大学でもお話しました。そのうちに外国でも巡礼の道があることを知り、昨年夏に夫婦で歩きました。別に宗教心があるわけではなく、歩くことが目的の旅ですから、旅の途中にある宗教的背景などについては説明できませんので、ご了承ください。![]() 映写中の画像は、全行程の高低差を表したグラフです。最初は平坦な道ですが、中央で高原地帯になり、以降高くなったり低くなったりしながら目的地サンチャゴに至ります。 巡礼の道は約780km。スペインとフランスの国境沿いのフランス領サンジャン・ピエ・ド・ポー村からスタートしたのは7月22日。スペインのサンチャゴに到着したのは8月19日。合わせて29日の巡礼の道でした。 情報収集まず、スペイン観光局へ行き、巡礼の道に関する地図その他の資料を戴きました。つぎに巡礼経験者のホームページを探して、困ったことの記述を注意して読みました。雨が降ると道がぬかるみ大変だったことから、雨具、靴などの装備、薬の準備など、参考にしました。体験本「サンチャゴ巡礼へ行こう」中谷光月子著を読んで、暑さ、寒さの擬似体験をしました。また現地でも巡礼本を買い求め、地図と行程の歩く時間をチェックしました。服装と装備![]() 夏でしたから、防寒具などは必要がないから軽装備で、私のザックは重さにして10kg、同行者(まり子さん)は8kg程度でした。現地の皆さんは我々よりもずっと大きな荷物を背負って歩いていました。服装は日焼けを防止するために長袖シャツ、ズボンも長いもの。農作業用の帽子をかぶって、手甲を着用しました。足にマメが出来ないように5本指の靴下を履き、その上から普通の靴下を履く。靴は運動靴、軽登山靴。 それから現地に当然水はありますが、硬水でお腹を壊す恐れもあるので、ペットボトル入りの水を毎日2リットル買いました。それは私が背負いましたので、荷物は計12kgとなります。日本から持って行った食料は、アクエリアス粉末、卵スープ、カロリーメイトなどです。 装備には寝袋を持参(普通ホテルに泊まるときは必要ないが、アルベルゲという巡礼宿に泊まると、男女混合蚕棚スタイルになるため)。 日傘、日焼け止めクリーム、マメ防止用潤滑剤、胃腸薬、携帯電話はボーダーホーン。巡礼中どこでも不自由なく使用できました。 カメラつきだったので、デジカメに代わる記録用カメラとして十分使用可能でした。 現地での巡礼者の服装は、半そでシャツに半ズボン。大きな荷物(バスローブ、洗面器持参もあり)。両手にストックという出で立ちを多く見かけました。ザックの上に銀マットを申し合わせたように載せていましたが、使う場面はほとんど無いと思います。 巡礼の手続き![]() まず仏領サンジャン・ピエ・ド・ポー村の案内所で巡礼手帳を貰います。 手帳の発行は無料ですが、献金が必要です。手帳にスタート日時のスタンプを押して、一応の説明を受けてから歩き始めます。 ご親切に日本語のピレネー越えの地図と、そのほかアルベルゲ(巡礼宿)の詳しい情報や、巡礼者必携のホタテ貝の殻のセットもここで戴きました。今までの資料を回しますからご覧ください。寄付は合計すると6ユーロくらいになりました。 ![]() 私たちは成田からの飛行機が遅れたのが原因で、初日はTGVの最終駅で宿泊しました。そこから、ローカル列車でサンジャン・ピエ・ド・ポー村に行きましたので、出発は午前10:20になりました。初日は山越え27kmなので、急ぎ足で歩きました。 歩き方日照時間は朝の7:00から21:00です。日本に比べて2時間ほどシフトしています。出発は平均して午前6:00頃でした。陽があまり高くならない涼しいうちに、最初の2,3時間(10-15km)を休憩なしで歩きます。30分くらいの休憩を取って、あとは1時間ピッチで休みながら進んでいきます。行動食は前日に村のお店でパン、トマト、果物、水などを買っておきます。朝飯を食べてから出発することを、原則に決めていました。コーラなどの自販機がある村もありました。12時―14時で、歩くのをやめ宿に入ることにしました。外国の方々は、早朝5:00くらいから歩き出して、バー(いわゆる食堂)のある村に到着すると、朝食を食べたり、ビールを飲んだりしています。その間に我々は彼らを追い抜くわけですが、彼らは食事が済んだら、抜き返して進んで行きます。ウサギとカメみたいでした。彼らも午後2時頃終了です。夕飯を食べながら宴会をして夜遅くまで騒ぐ人たちが多かったです。実際に、歩いている人たちを見ると、20代30代の若い人が多く、40代未満が90%ほど。私たちのように60歳過ぎの人はほとんどいませんでした。ところが、残り100km近くになると、巡礼者完了証が貰えるからでしょうか、お年寄りが増えたように見えました。 ホテルやアルベルゲの夕食は20:00〜21:00.メニュー(定食)を紹介しますと、前菜・メイン・ワイン・デザートという形で、値段は大体10ユーロ以下(1,000円から1,200円)でそんなに高くはない。水とワインは同じ値段ですから、飲める方は得をします。 巡礼者の国別では、やはりスペイン人が最も多く、ついでフランス、イタリア、ドイツの順です。たまに、東欧・イギリス・アメリカ。日本人は若者一人に出会いました。 巡礼者のグループの構成では、子供連れ5-6人の家族ぐるみ、犬を連れて歩く人、馬に乗って行く人、伴走車に荷物を預け、軽装で自転車巡礼する人達、キャリーバッグを引いている人、村の広場毎に聖書を読む若者の団体などがありました。犬を連れた人は元気なのに、犬はへばっていたのが面白い取り合わせでした。 ![]() 巡礼の道とは道には、必ずホタテ貝の貝殻の道標があり、道沿いの家の壁に、黄色の矢印で進む方向を示していますから、それを辿って歩くことになります。前半は牧草地帯ですから、牧場の中を通っている気分です。それから山道になります。自転車道もありました。村の入り口には、大きな看板に地図が書いてあります。後半は林道ですが、緑豊かな風景の中を歩きます。ですが、この辺りから地図看板が無くなって、すこし戸惑いました。道は村と村を結ぶような形になっており、村が見えているのに真っ直ぐには行けず、結構回り道になるところが多い。道端に蕨が群生していて、時期がくれば食べられるかな、など話しながら歩きました。高原を歩いていると、夏なのに涼しく、秋の風情が漂っていたのですが、不思議に日本なら必ず聞こえてくる蟋蟀などの虫の音がありません。シーンとして気持ちが悪いくらい静かなのです。 麦畑の中を歩いていくと、地上二階建てほどの直方体に干草が積み上げられているのが所々にあります。面白いことに、この干草の陰がトイレ代わりになっていました。 道中の挨拶「オラー」「ブエンカミーノ」というのが、しきたりでした。日本語では「オラー」とは、何か叱られることのイメージですが、現地では励まし会いの挨拶です。一行の中で、我われ東洋系は目立つ存在でした。宿などで挨拶されると、ことらは初対面だと思っても、実際は何回も会っていたりして。 こちらもニコニコ挨拶しましたが、向こうから見ると東洋系は珍しいので、また会ったと分かるんですね。 注目されていますから、悪いことはできません。 道中のお店は、実際には、地図にそれらの店は載っているのに、看板を出していません。何を売っているのか、中を覗かないと判らない。たとえば、バーの奥に八百屋さんがあるという具合ですから、買い物がある場合、注意しながら歩かないと、通り過ぎてしまうことがあります。また、お店によっては客が商品を自由に選んではいけない。店主が選んだものを客が受け取って、支払いをするというのもありました。 公称の全行程![]() 780kmですが、廻り道も多かったので800〜900kmは歩いたかも知れません。自転車や馬に乗っていた人も、一応150kmを歩けば巡礼完了の証を貰えるようです。徒歩の人も100km以上歩けば巡礼完了証が貰えますから、終点サンチャゴまで100km地点以降は、急に人が増えます。 と、いうような内容が、スペイン巡礼の道の概略でした。 このあと、写真をお見せしながら、妻のまり子が詳しくお話致します。 写真の説明(まり子夫人)1.前方のアーチをくぐって、いよいよスペイン巡礼の始まり 2.巡礼道は村々を経巡っていく 3.巡礼者からのおこぼれを待っている猫 4.「ワインの泉」ワイン工場が巡礼者のために飲み放題のワイン(左)と水(右)を提供。水筒にワインを詰める巡礼者もあり 5.初めて泊まったアルベルゲ(巡礼宿)フルコースの夕食と朝食を出していただきました。料金は気持ち(二人で10ユーロ)を献金 6.人っ子一人通らない高原の道をひたすら歩いて、ようやく着いたオンターナス村入口。村の施設を表示している看板と巡礼道を示すホタテの標識 7.巡礼道最高地点(1,500m)にある鉄の十字架に巡礼者は身に付けていた品を括り付け、道中の安全を祈る 8.道は牛の方が優先権あり 9.雨の中の若い巡礼者。雨具の装備はとても貧弱。ゴミ袋をザックカバーにしている 10.一人分のスープが洗面器大の容器でタップリと供された。とても美味しかったが、二人で分けても飲みきれず 11.サンチャゴのアルベルゲで受付していた女性がサンチャゴの由緒あるカフェを案内してくれる。スペイン人の考え方や、女性の仕事状況等いろいろと話してくれた おわり |
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