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2010年4月2日 神田雑学大学定例講座No500

進化する江戸ソバリエ2、講師 江戸ソバリエ認定委員会 委員長三上卓治、江戸ソバリエ・ルシック 伊嶋みのる、江戸ソバリエ協会理事長 橋本 曜



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Well come music SOB-A-MBIENT;
江戸開府四百年記念事業
江戸蕎麦は何故美味しいか?
シンポジュウム
江戸蕎麦学講座
壁面に十数枚の作品を展示
社会貢献する江戸ソバリエ各団体
進化する江戸ソバリエとは?
江戸ソバリエ・ルシックとは



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Well come music SOB-A-MBIENT;(録音)

冒頭の音楽は、かんだやぶ蕎麦のお客の注文を調理場に伝える帳場の女将さん声です。江戸の物売りの声の名残りとも言える流し声は、かんだやぶの別天地を演出するWell come musicではないでしょうか。

三上卓治

三上卓治講師 江戸開府四百年記念事業

平成15年(2003年)は、徳川家康が1603年江戸に幕府を開いて丁度400年目にあたる年でした。そこで、東京都が江戸開府400年の記念事業を行うことを決め、都をあげての大事業となったのですが、中核になったのは、千代田区でした。この年の4月に千代田区から区内のNPO法人に記念事業募集のメールが送られてきました。

さっそく各委員に呼びかけ、記念事業の企画の募集をしました。神田雑学大学は人材の宝庫です。理事の野本健男氏から「江戸ソバリエ認定事業」の提案がありました。野本氏はある薬品会社の総務部長の職を務めていましたが、趣味は古代史研究です。

野本氏は、吉祥寺村立雑学大学で年に一度の講演を十年間続けましたが、後半は蕎麦談義でした。地方で遺跡が発掘されると、必ず現場へ赴き確認するという本格的研究者ですが、必ずその地方の蕎麦を食してから帰るという、蕎麦の研究者でもありました。これらの経緯の中で、地方の蕎麦は夫々特徴があって、それなりに美味しいのですが、比べて見ると東京の蕎麦が最も美味しいということが判りました。すると、東京の蕎麦はなぜ美味しいか?という疑問がわきました。
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江戸蕎麦は何故美味しいか?

野本氏は、それを追求するプロセスが、江戸の食文化を尋ねる講座になり、ひいては「江戸の粋」を顧みることになるので、これこそ江戸開府400年の記念事業として、ぴったりではないかという企画を示したのでした。さっそく、千代田区の担当窓口へ、打診にいきまいりました。

江戸ソバリエシンポジュームポスター(画像をクリックすると大きくなります、ブラウザの戻るでもどります)担当の係りは、話を最後まで聞かずに「これは素晴らしい!蕎麦は粋です。この企画は間違いなく当選します。私も蕎麦が大好きで、毎日食べています」それから、提案用紙を貰って、あたふたと手書きの企画書を書き上げ、役所窓口へ提出したのが内容は、江戸ソバリエ認定募集人数100名。受講料10.000円総予算は1,000,000円でした。一週間後に、江戸開府四百年記念事業実行委員会の面接があり、目出度く採択となりました。

記念事業として採択になったのでしたが、具体的に何をするかは、それからの相談でした。まず、五人の実行委員会を結成しました。100人募集ですが、宣伝が必要でした。新聞、ラジオ、テレビという媒体を考えたのですが、先立つお金がありません。そこで、目立つ人寄せのため、シンポジュウムを九段会館で行うことにしました。

幸い、5月10日、江戸ソバリエ100人募集の講座内容と、シンポジュウムの記事が朝日新聞朝刊に大きく報道されました。ついで毎日、読売、産経などの各社に報道されましたので、朝から問い合わせが殺到して、大変な騒ぎになりました。講座申し込みの電話は、1週間で合計640本。新聞に載った日は、トイレへ行く時間もありませんでした。
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シンポジュウム

九段会館で行ったシンポジュウムは、基調講演を当時すでに蕎麦博士として著名な高瀬礼文先生(早稲田大学理工学部名誉教授)にお願いし、座談会は老舗のかんだやぶの堀田康彦氏、須田町まつやの小高登志氏、巴町砂場の萩原長昭氏、元有楽町更科の藤村和夫氏、司会は吉田悦子氏の顔ぶれでした。シンポジュウムは大成功でした。客席が沸き立つというのは、このことでしょうか。

そもそも、蕎麦屋の主人は客席に、あまり姿を見せません。お客さんは女将さんを見たことはあっても主人の声も聞いたこともありません。蕎麦屋の主人の裏話を生で聞けるのですから、興味駸々、うなずいたり、笑ったり、手を叩いたりする様を、舞台の袖から見て私たちは感動しました。その結果、約500人の受講申し込みを受けました。

100人募集の講座に500人の申し込みです。蕎麦という食べ物に、なぜこれだけ大勢の人が関心をしめし、勉強しようとするのか。蕎麦には何か不思議な力があることを感じました。シンポジュウムの座談会のメンバーは、初年度蕎麦屋老舗のご主人、2年目は蕎麦屋の女将さん、3年目は新進気鋭の蕎麦屋の経営者、そのあと、粋な蕎麦屋の味わい方、老舗の若旦那などと続けて参りました。いずれも極めて好評でした。
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江戸蕎麦学講座

さて、その江戸ソバリエ講座は、江戸蕎麦学講座という名称にしました。
まず座学は「耳学」と名づけました。耳から入ってくる知識だからです。

講師は、
蕎麦粉を製粉会社の組合長。
汁(つゆ)は鰹節会社の社長と醤油会社の開発部長
味醂は三河味醂製造会社の社長
器は漆塗りの専門家
薬味は唐辛子の専門家
蕎麦屋のしきたりは元有楽町更科主人
蕎麦打ちの科学は早稲田大学理工学部名誉教授

耳学では、居眠りする人は一人もいません。目を爛々と見張って、講師の言葉を一言も聞き漏らすまいと、熱心に聞き入っているのでした。また、講師に対する質問も専門的で、参加者の蕎麦情報は高い水準にあることを示しておりました。また、現業の蕎麦屋さんも数名参加していたことは、実に意外でした。

江戸ソバリエの本手学では、錦町更科五代目の堀井市朗さんが落語家はだしの名調子の解説をして、実技は素人そば打ち名人が模範打ちを行いました。千代田区の施設の調理室の8台の調理台に受講生が4人。全麺協(全国麺類協働組合)有段者が1台に一人ずつ張り付いて、手打ち蕎麦の指導をするのです。

舌学では一人十軒の蕎麦屋さんを廻って、蕎麦粉の産地や小麦粉との割合を調査します。もちろん汁の材料である鰹節や、醤油、味醂、薬味まで調査する仕組みです。すべての受講者にとって、この方法は初体験でした。蕎麦屋さんにとっても同様で、応対に様々な相違が見られました。

蕎麦屋にとって一番忙しい時間帯は昼飯時で、調理場は火事場のような騒ぎです。この時間帯に調査に訪れた人は、蕎麦屋さんに嫌がられました。一方午後2時過ぎあたりに訪れた人には、蕎麦屋の主人自ら丁寧に教えてくれたばかりか、これがきっかけでお馴染みとなったりしました。

一人十軒がノルマでしたが、最高で五十軒廻った人もいました。調査の結果を報告するのは、舌学レポートです。この画像はあとで登場する伊嶋みのるさんの舌学レポートです。注文した蕎麦の絵を付記しています。恵比寿「玉笑」のコメントに、蕎麦の絵を仕上げるのに2、3分かかったら、女将さんが「お蕎麦をお取り替えしましょうか」と言ってくれたのには感激したとあります。これぞ「江戸のもてなしの心」ではないでしょうか。

脳学レポート 脳学では、総合的な江戸蕎麦に対する評価を2000字程度の論文にして提出。江戸ソバリエ委員会と講師が、論文を採点して合否をきめ、認定式(卒業式)において合格者を江戸ソバリエとして認定証を授与する。という仕組みです。その後も基本線は変わらずに、7年間続いています。舌学ノートが一種のマーケッテングとすれば、脳学レポートは江戸蕎麦の総合版とも言えるでしょう。

江戸蕎麦に対する想いや、調査結果の分析や、江戸食文化の粋の評価を2000字の論文にまとめます。蕎麦に対して受講者の皆さんは、かくも真摯に向き合っていたことがよく判って、襟を正して読むような内容のものが、多くありました。

舌学ノートと脳学レポートを、江戸ソバリエ委員会が審査して、合格者を江戸ソバリエとして認定します。期末には、江戸ソバリエ認定式を行い、江戸ソバリエ委員会の委員長が、顔写真入りの認定証カードを一人ひとりの首に掛けて祝福します。平成22年現在、江戸ソバリエに認定された蕎麦通は過去7年間で1,150人となりました。舌学ノートのために江戸ソバリエ受講者は、一人十軒の蕎麦屋を廻りますから、最低の計算でも合計11,150軒となります。

舌学ノートに食べた蕎麦の傾向が分かるように、領収書を添付してもらいました。それを拝見すると、最初はもり蕎麦、ざる蕎麦が多いのですが、そのうちに天麩羅蒸篭になったり、お銚子がついたり、焼き鳥、板わさがついたり、お勘定も、最初はもり蕎麦550円だけだったのが、8軒目あたりから3800円、7500円とか金額が上がってくる傾向がありました。

蕎麦の味を知った江戸ソバリエは、今後繰り返し蕎麦屋に通うことになりますから、控えめにみても7年間を通じて数十億円の売り上げ増に繋がる計算です。しかも、蕎麦屋へは今後同僚や、家族を連れて行くことになりますから、更に何割増しの売り上げ増となります。しかも、美味しい蕎麦屋は神田にありますから、千代田区が深い関心をしめすのも、無理ないところと思います。
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壁面に十数枚の作品を展示

伊嶋 みのる
                
伊島 実講師ここ5、6年で私が訪ねた東京および近郊のそば屋は5、600店に登ります。江戸情緒の残るそば屋を訪ね歩き、料理、器、店の外観などの線画を描いているからです。食べて、見て、描く。食べ歩きなら、美味しいだけですが、私の場合は一つの店で三度楽しめる。

お店の外観が気に入ったら、写真を撮る。注文して出てきたそばをまず描く。道具は筆ペンとスケッチ用のメモ帳。かかる時間は平均して2、3分でしょうか。「そばがのびますよ」とか」「後で持ってきましょうか」なんて店の人から言われることもしばしばです。

注文するのはたいていもりかざる。冷たい方が、そば本来の味を楽しめる。まずはつゆをつけず、そばだけ。次につゆだけ一口。それからそばにつゆをつけてすする。薬味を入れるのはつゆが濃い場合だけ。本当においしいつゆや薄いつゆなら、薬味はなくなくていい。

「砂場」蕎麦屋のスケッチ

器・道具を描き終えたら、次はその店の評価です。めん、汁、店構え、器の四項目について、◎〜Xの五段階評価を、そばの絵の端に書き加える。そして帰宅後、店の外観が気に入っていれば、撮影した写真をもとにそれ墨線で描く。虎ノ門や南千住の砂場、神田のやぶそば・・・・――など。

外観を通して、その店の「心」みたいなものが伝わってくるのです。休みの日に。仕事で外出したついでに。「蕎麦三昧」などと名づけたスケッチ用のメモ帳は11冊目に入りました。私は商業施設をデザインする会社を経営しており、色々な場所を訪ねる機会が多いのもちょうどよかった。

こうしてそば屋を描き続けて実感するのが、特定のモチーフを決めて絵を描くことの楽しさです。商売柄絵を描くことが仕事ですが、そばというモチーフを得たことで、描く楽しさは倍以上になりました。今の私の絵は、そば屋の外観などを忠実に描いています。今後は、これをもっと単純化し、線の数を減らして、より洗練された形の墨線画を描いていければと思っています。

壁に立てかけてある絵

私がそば屋巡りを始めたきっかけは、江戸そばの通を認定する「江戸ソバリエ講座」にあります。そこで課題としてそば屋に関するレポートがありますが、普通に書いても面白くないだろうと、そば屋を食べ歩いてレポートにしました。それで見事にはまってしまい、以来、誰に頼まれたわけでもないのにずっと続けて来ました。作品を十数枚持参して壁際に飾りました。休憩時間にでもご覧ください。この項終わり。 
三上卓治

至福の蕎麦屋本そのような背景を持ちながら、江戸開府400年記念事業なら1年で終わるところを、江戸ソバリエ認定事業は7年間続けているのです。 初年度は、お蕎麦屋さんもジャーナリズムも、素人がねーという態度でしたが、3年ほど前から、評価が変わってきたように思います。

テレビ、雑誌、新聞からの問い合わせの質が高くなりました。最近では日経あたりから、専門的な質問がきたり、NHKの解体新書の番組に出演依頼が来るようになりました。社会的に認知されたような気分です。

第一回目のシンポジュウムを題材にした「江戸ソバリエ」。40人の江戸ソバリエが書いた「至福の蕎麦屋」の出版。江戸ソバリエのメンバーが地域の蕎麦本の出版に関わる「神奈川県のお蕎麦屋」「埼玉県の尾蕎麦屋」などを刊行しております。
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社会貢献する江戸ソバリエ各団体

さて、「江戸ソバリエ認定委員会」という存在を学校とするならば、その校友会的な存在が「江戸ソバリエ倶楽部」であります。蕎麦仲間には色々なパターンがあります。地域的に蕎麦うち仲間で構成されているグループや、食べ歩きを主にしている集まりや、勉強会主体のものや様々です。夫々が仲良く行動していますが、ちょうどアメリカ合衆国のように各グループが「江戸ソバリエ倶楽部」を形成していますが、江戸ソバリエ各団体は、この7年間に様々な社会貢献をしました。

社会貢献のもっとも多いのは、地域の老人ホームの慰問です。材料費だけを戴きますが、 手打ち蕎麦の実演と試食のボランテイアです。一口に実演と試食といっても、実際には道具類(木鉢・蕎麦うち台・捏ね棒など)と、材料(そば粉・汁・薬味)の運搬が、実は大変なのです。それを個々のグループで数多く行っております。老人ホーム慰問の手打ち蕎麦と実演と試食では、どのホームでも「こんな美味しい蕎麦は食べたことない」と感動の言葉の嵐で、ボランティア冥利に尽きるといえるでしょう。

蕎麦打ち実演

千代田区の秋葉原の活性化事業「万世橋ルネッサンス」には、駅前のダイビル2階のフロアーで、江戸流手打ち蕎麦の実演販売を19年と20年の2年間好評裡に連続して行いました。平成19年から、夢の島熱帯植物園の空き地にボランティアで蕎麦を植え、刈り取り、製粉した蕎麦粉で地域のお年寄りを対象に、手打ち蕎麦を提供しています。

練馬区豊島園の九品院というお寺に、蕎麦喰い地蔵が祀られています。そこで毎年1月に蕎麦喰い地蔵供養を行っていますがこれも江戸ソバリエ倶楽部の幹部が企画した「街興し」です。 本堂でご住職の法話を聞き、若い女性の弦楽四重奏を鑑賞したあと、これも倶楽部のメンバーが打った蕎麦を戴くというユニークな集まりで、お座敷が50人ほどの客で一杯になりました。

江戸ソバリエ、サンフランシスコで蕎麦を打つ。画像をクリックしてPDFでご覧下さい。ブラウザの戻るで戻ります。社会貢献のハイライトは、昨年4月、アメリカ合衆国のサンフランシスコの日本人街70周年の記念行事に参加したことでした。渡航費用20万円は全く自前のボランティアに17名が参加し、同市の都ホテルで江戸流手打ち蕎麦の実演を披露、日系市民や外交官300人のパーティでは屋台式蕎麦店を開き、日本文化の粋を紹介したのであります。

この話には続きがありまして、帰国後の6月に神田明神の境内で蕎麦うちを披露したあと、本殿にて60食を恭しく「奉納」致しました。今年は、咸臨丸周航150年の記念の年です。昨年のメンバーに新しく江戸ソバリエ・ルシックの合格者を加えて、15名参加しました。さらに、神田明神のルーツでもある茨城県坂東市の国王神社へも出張し、勇壮な出陣太鼓の演奏を背景に手打ちそばを実演し、氏子の皆さんにそば振る舞いをして、大いに喜ばれました。 
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橋本 曜

進化する江戸ソバリエとは?

橋本 曜 講師会場の受講者の皆さんは、そばを食べたことがあるでしょうが、そばがどのようにして作られ、料理されているのか知らない方がおられると思いますので、そばについて簡単に説明いたします。

・そばはどのようにして作られるのか
 
そば麺は極めて単純な材料と手法で作られ、料理といっても料理と呼べないような単純な手法で皆さんの口に入っていきます。

そば麺はそば粉と小麦粉と水で作られますが、美味しいそば麺はそば粉と水を合わせる水回しによって作られると言ってよいでしょう。なにしろそば作りの名言として「水回し3年、延ばし3か月、切り3日」というのがあります。

次に、そばを食べるには汁(つゆ)を付けて食べますが、汁を作る材料は「醤油、砂糖、味醂、鰹節」です。これも極めて単純な組み合わせであり、且つ作業です。このようにして蕎麦は単純な材料と作業で皆さんの口に入るのですが、それだけに美味しいそばを食べるためには材料の厳選と緻密な作業に尽きることになります。

・そばをどのようにして食べるか

もりそば、美味しそうに蕎麦を食べる二人
 
そばを食べることは食事をすることですから、どんな食べ方をしても非難はされません。そば前と呼ばれるお酒を飲んで、その後でそばを食べることも普通です。しかし美味しいそばを食べようと思えば、気分を落ち着ける必要があると思います。そばの香りを嗅ぎながらそばを食する。

これがそばを食べる基本となります。そばをすすりながら食べるのは、その香りを吸いながら食べることになります。昨年放送になったNHKの「試してガッテン」で証明されましたが、食の中で香を重視する日本の文化の特徴といえることでしょう。

講座に戻ります。初級の江戸ソバリエ認定講座では、そばを食べることが好きな人はそばを作る講座を望んでいます。それが「手学」です。皆さんは一生懸命そば作りに専念し、そして喜んで帰られます。また「舌学」ではいろいろなそば屋さんを食べ歩くことで、味、もてなし、猪口など用具類の違いを知って いただきます。
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江戸ソバリエ・ルシックとは

江戸ソバリエ・ルシック認定講座では、より専門的な、指導的立場になりうる人を育てようという意味合いを込めています。講座内容で初級と特に異なるのは「手学」と「舌学」で、手学は初級の場合そば打ちの経験ができたことに意義がありましたが、上級では1kg粉を所定時間内に打ち、行程中と出来上がりを審査員がチェックするという、かなりの技量が求められるものです。

また、舌学は食べ方を審査員が見るというものです。この舌学は当落の怖れはありませんが、見られる人すなわち食べる人にとってはプレッシャーのかかる時間だったと思います。今回は江戸ソバリエ・ルシックを受けられた人は80名でしたが、認定者は62名でした。

江戸ソバリエ認定委員会は、NPO法人神田雑学大学の一部門でありましたが、より専門的な発展をするために、平成22年4月江戸ソバリエ協会として独立して、東京都にNPO法人の申請を致しました。江戸ソバリエ協会は日本の食文化の一つにそばを選びました。良い日本の食文化を育てるべく考え、実行していきたいと思っています。

江戸蕎麦の「美しく、粋な食べ方」の定法を復活することが、食育につながると考えています。蕎麦道は果てしなく、終わりがありません。しかし、この道を究めることが、わが国の食文化の粋を探る旅であることを、信じてやみません。

では「粋な江戸そばの食べ方」コンクールのDVDを上映して終わります。



文責:三上卓治 
会場写真撮影:橋本 曜
HTML制作:和田節子


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