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平成23年9月30日 神田雑学大学定例講座NO569 

「ABBEY ROAD SIDE B」講師:ビートルズ・エバンジェリスト 岡本備(そなう)

 


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画鋲
プロフィール
1.はじめに
2.あなたの美意識を変えたい
3.Lesson-1 Boy meets Girl
4.Lesson-2 サイケデリックの世界
5.Lesson-3 ロックの世界
6.アビーロードB面を聴く
7.ビートルズを語る本を出版する



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岡本そなう講師プロフィール
岡本 備(そなう) 1950年(昭和25年)生まれ。 兵庫県播州赤穂出身 サイン・ディスプレイ・P.O.P.
(販促広告)イベント・インテリアデザイナーをしながらも、個人でビートルズ・イベントを30年やり続けている。TV、ラジオ、新聞、雑誌等に多数出演、掲載される、自他ともに認める日本一のビートルズコレクター。

そのコレクションをツールとして「ビートルズは60年代に天から与えられた人類への福音」との思いのもとに、音楽はもちろん、アート、ファッション、言動まで含めた天才総合芸術家集団としてビートルズの文化、芸術的偉業を少しでも多くの人に伝えようと、『曲を聴き、コレクションを見せ、伝える』と言う<3Dスタイル>でエバンジェリスト(伝道)活動を続けている。
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1.はじめに
前回こちらで講義をさせていただいた時はアビー・ロードの全面(A,B両面)をやるつもりでしたが、A面だけで時間が来て終ってしまいました。それは、私があれも話したい、これも伝えたいと欲張りすぎたからでした。(苦笑)『ビートルズを知らない人は少ない。でもビートルズ精神を知っている人は少ない』これが現実ではないかと思います。

ビートルズは若者の反抗精神を代表しているような、社会のアウトロー的なイメージがあって、多くの人はまずその色眼鏡で見てしまう傾向が強い。リバプールという日本でいえば神戸にもあたらないような田舎の港町のどこにでもいるような不良の兄ちゃんが4人集まって音楽やりだした。それもエルビス・プレスリーの突っ張り音楽(ロックン・ロール)に感化されてやり始めたものですから、はじめはあまりその音楽性については評価されませんでした。
最近になってやっとビートルズのことを、ジョンは天才だとか、ポールは音楽家だという人も出てきていますけれど、一般的にはビートルズはポピュラー・ミュージックの一グループで、過去のヒットグループだったんだな〜くらいの評価しかないのです。

講義中の岡本講師2僕は40数年ビートルズと付き合っていますが、もともとクラシックが好きなこともあって、彼らに出会い、60年代、現役で活躍していた頃から、彼らが音楽的な面、そして美術・ファッションの方面でも人々に多大な影響を与える天才的なグループだと常に確信していました。

そして、それを少しづつでも分かってほしいという思いから、前回はその辺の所を何章かに別けてお話しました。そうしたらA面だけで終わってしまったのです。(笑)それで今回はその続きということでB面の話をさせていただく訳です。しかし僕としては今回も、ただ単に「これからアビー・ロードのB面を一緒に聴きましょう」では物足りないのです。

B面といいますと一般的にはA面があってその裏面なわけですから、例えばシングル盤で言うとA面はヒット曲だがB面はどうでもいいみたいな曲が入っている訳です。これがアルバムになりますと、そのアルバムのタイトルにはヒット曲のタイトルを付けて、あとの10数曲はなんでもいいよ、みたいなものが多かった訳ですね。だから、極端に言うと、シングルヒットのレコードを買い続けていれば、アルバムは要らない訳です。ですからポピュラーの世界でアルバムが買われる、アルバムがヒットするということはほとんど考えられなかったのです。

そのようなシングル盤がヒットすることが至上命令の様なポピュラー世界をアルバムで新曲発表し、しかもアルバム単位でヒットさせる、つまり、シングルもアルバムも同等の価値に変えたのがビートルズです。つまり、ビートルズはシングルどころかアルバムも、A、B面の別なくいい作品揃いだったのです。

しかし、それでも、このアビー・ロードのB面が出るまでは、例え彼らのアルバムといえども、ヒット曲を集めた、総集編的なものでした。シングルヒットに匹敵する曲が10数曲入って、それがアルバムになっていると言った感じといえばいいでしょうか。そのアルバムには多少なりとも発売時期やビートルズの成長度合い、その頃の彼らの考え方等の傾向がありますから、個々にアルバムとしての多少の統一感はありました。が、結局は新曲の大量発表、そういうイメージでした。

ところがこのアビー・ロードB面は、(今日、最後にまとめておかけしようと思いますが、)B面一面が一曲なんです。これを世間ではよくメドレーといいます。しかし、メドレーと言うのは、単体の曲をただつなげているだけです。ところがアビー・ロードの場合はちゃんとシンフォニーになっていると思うのです。ビートルズはここでポピュラーの世界に最後にして最大の「革新」を起こしたのです。ですから、今回B面だけを取り上げて特集するというのは、私としてはある意味望む所でもあったのです。それはさておき、実際にはビートルズの足跡はデビューから解散までの7年間ずっと「革新」の連続でした。では、順を追って彼らの<ABBEY ROADの>歩みを進めていきたいと思います。
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2.あなたの美意識を変えたい
ビートルズは私たちの美意識を変えました。そして、今日この講座をお聴きの皆様にはビートルズへの意識を変えていただけたら最高です。では、B面を聴く前に、ビートルズが変えてきたことを3つに絞ってお話しさせてください。

Lesson1ポピュラー界の常套手段「Boy Meeets Girl」を使ったビートルズ流世界戦略一番目の「革新」が「Boy Meets Girl」 (ボーイ・ミーツ・ガール)です。ポピュラーの歌詞の世界での常とう手段です。「誰かが誰かに恋をして、それが嬉しかったり悲しかったり」ということですね。ビートルズもこれを使っています。「Boy Meets Girl」を使いながら「革新」を起こしているのです。

二番目の「革新」はビートルズが起こした「サイケデリック」です。サイケデリックとは『サイケ=めまい、幻覚とかのデリック=デリシャス=最高な状態』という感覚でしょうか、これは当時ロンドン市街の流行発信地域あたりでアバンギャルドの連中がストリート・アートとしてやっていたらしいのです。でも、いくら先に誰かがやっていてもそれが世の中に知られていないうちは、やっていないのと同じです。ビートルズが一番最初にこれを取り入れて世界に知らしめたので、ビートルズが創ったと言っても過言ではないでしょう。

三番目の「革新」それはビートルズが拓いた「ロック」という音楽です。音楽は大きくジャス、クラシック、ポピュラーの3つに分けられます。そしてポピュラーからロックン・ロールが生まれました。ビートルズは当初、ロックン・ロールのコピーから音楽活動を始めましたが、その後、特にデビュー以後そのスタイル、音楽形態をどんどん変えていき、いつも私達をワクワクさせる新曲を出し続けました。

特にその中でも1968年に出したアルバム『THE BEATLES 』通称「ホワイト・アルバム」で、彼らは30曲の新曲を発表しました。もともとビートルズは一曲として同じスタイルの曲がないのですが、ビートルズとしての一つの流れを感じることは出来ます。それがこのアルバムの30曲は本当にそれぞれが異なっていて、百花繚乱であり、しかもこれまでのビートルズカラーとも違っていたのです。

これでみんなが「ああ音楽ってこんなに面白いのか」「音楽ってこんなことやっていいのか」「こんなことが出来るのか」ということに気づくのです。ここからジャンルを問わず、言いたいことを、やりたい音楽スタイルで曲にする『ロック』というジャンルが生まれ、「ロック」は70年代に大きく花開きました。

この3つの「革新」の話をしたあと、本日の主題「アビー・ロードのB面の魅力」について語りたいと思います。
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3.Lesson-1 Boy meets Girl
それまでの常識、男の子と女の子が出てきて男女間の関係がどうなるかということを歌う、ポピュラー音楽の歌詞においては欠かせない主題、これをビートルズはどう「革新」したのでしょうか。

ボーイとガールで男女二人登場人物がいますが、ビートルズはこの二人をI(アイ)とYou
(ユー)、もしくはMe(ミー)とYou(ユー)の関係に変えたのです。そして、「I」もしくは「Me」これはビートルズ自身なんです。「You」はファン、すなわち私たち聴き手側です。それまでの「Boy Meets Girl」の曲の中では彼と彼女が出会って、どうこうするわけですからお話はその曲の中で完結しているのです。歌い手は第三者的にそれを歌っているだけです。

歌の中の彼と彼女の関係は言って見れば歌手にとっては他人事でした。私達聴き手の方もその歌手に入れあげるか、その歌詞の心情に共感するわけです。ところがビートルズの場合は、例えば最初にNo1になった曲「Please Please me」で言えば「Me」は「ビートルズ」なのです。「僕たちをよろしく、楽しませてよ」と「You」つまり私達に言っているのです。
歌詞を通してビートルズがファンに向けてコミュニケーションをとっているのです。こんな直接的な歌は今までありませんでした。これが、「Boy Meets Girl」に於ける革新です。

この次が「From me to you」です。これも「僕から君に愛を送るよ」と「ビートルズ」が「私たち」に愛を贈ってくれているんです。ビートルズが愛の詩を素敵な愛の歌に乗せて、私たちに歌ってくれているのです。次が「She Loves You」ここでは3人称の「She」が出てきます。この3人称の 「She」は「ビートルズとファン」に対しての「第3者」と考えてみるとどうでしょう。

「おまえは今、彼女とケンカ状態なんだろう?でも彼女はお前のことを嫌いにはなっていないよ。いまでも好きだって言っているよ。だからお前のほうから謝ったら。そしたらもとに戻るから」という大意を持った歌詞なんですが、つまりこれはビートルズとファンの状況を第3者から見て、世界がビートルズを応援していることをビートルズ自身が感じたのですね。ですからファン以外の人たちも自分たちを認めてくれている、その喜びを表しているのです。

つまりビートルズはいつも自分たちの気持ちをそのまま歌詞に現しています。これが今までにはなかったこと。「革新」なのです。ふつうのポピュラーでは作詞家がいて作曲家がいて、そして歌い手はただ歌うだけなのです。プレスリーも2、3曲くらい歌詞の一部に参加していますが、その詩はあくまでその歌の中だけの物語です。はっきりとその時、思った気持ちを、そのまま歌詞に出すということをやっているのは、ビートルズがそれに気づいていたかどうかは別にしても、実にビートルズ独自の革新的戦略です。

というのも、ファンにとって憧れのアイドルから直接、「好きだ、愛してる、だから君たちも、僕たち(つまりビートルズ)を愛してよ」と歌っているのです。こんなに素敵な事はありません。ヒットするのが当たり前ではありませんか。未だにこのようなグループは表れていません。

次に「I Want To Hold Your Hand」という曲を出すのですが、この時もまたビートルズしか出来ないことをやりました。「Boy Meets Girl」以外に何が?ビートルズはこれまでシングルを4曲出しています。ところがこの時点ではその爆発的人気もまだイギリスとヨーロッパだけでした。当時のエンターテイメントはアメリカが世界の主流でした。アメリカで売れないと世界で認められたことにならないのです。

特に大事なのが<エド・サリバンショー>への出演でした。そのために彼らはこの
「I Want To Hold Your Hand」という曲をそれまでとは全く違うイメージで『アメリカ向け』に作ったのです。つまりそれまで「曲」とは歌い手側の世界が主体でつくられます。それが受けたらヒットしたということでした。ところがビートルズは、要求があればそれに応えて「曲」を作り、それをヒットさせることが出来たんです。もちろん、この「I Want To Hold Your Hand」は見事、アメリカで全米No.1となり、ここからビートルズは世界のアイドルになっていきました。ここにまた「革新」が起こった訳です。

では一曲聴いていただきましょう。一番最初に彼らがNo.1を取った「Please Please Me」という曲を聴きたいと思います。

ー「Please Please Me」の演奏を<BOSE>で聴く―

先ほどビートルズが「I Want To Hold Your Hand」という曲をアメリカ向けに作ったと言いました。そのあと彼らが世界のビートルズになってから、革新を興し続けます。
それは「Help!」というアルバムの中でです。このアルバムのタイトル「Help!」つまり「助けて「!」とは一体どういうことでしょう?私達から見ると、すべての曲はヒットし、お金は儲かるし、公演は満員だし言うことないじゃないかと思えますが、彼らにしてみれば、その人気は前代未聞、世界スケールで度を超していましたし、無茶苦茶ハードなスケジュールをこなしていました。

野球場のコンサートでの観客の阿鼻叫喚はジェット機の轟音よりすごかったし、例えば日本に来た時も警察に守られてホテルから一歩も出られなかったとか、マニラに行ったら暴行にあったとか、キリスト教舌禍事件の時はバイブルベルトといわれる地域のキリスト教至上主義信者から暗殺すると言われたり、もう毎日が大変だったのです。この状況に彼らは本当に「Help!」だったのですが、 そういう自分たちの心情をそのままに吐露したのです。こんな歌詞の曲は今までなかった訳です。そしてこの「HELP!」もみごとにNo.1ヒットにしてしまいます。こんなことは、ポピュラー世界では初めてのことでした。また1歩「革新」です。

岡本講師イメージ3また、このアルバム「Help!」のB面の終わりから2番目に「Yesterday」という曲があります。普通こういう風にB面に入っていてもこれは売れそうだと思えばレコード会社はシングルカットして売りますね。ですから日本やアメリカその他の国ではシングルが出ました。

ところがビートルズはシングルとアルバムは別ものであり、シングルを寄せ集めてアルバムを作ったり、アルバムからシングルカットしてファンに二重買いをさせないという方針を貫いていて、そういう態勢には流されません。ですからイギリスでは「Yesterday」はシングルカットはされなかったのです。それはさておき、この
「Yesterday」をみつけたのは私たちファンでした。


僕は16歳の時聴いたのですが、そんなに明るい曲ではなかったし、クラシックに近い雰囲気でした。僕はクラシックが好きだから「いい曲だな」とは思いましたが、一般的に見て「ヒットするかな〜?」という感じはありました。でも大勢のファンがこの曲を見出して、「この曲は素晴らしい。シングルカットしてほしい」という要望が大きかったのでしょう。全世界でシングルカットされました。この曲は、ポピュラー音楽以外の世界も動かし、この曲をカバーしているアーティストも 全世界でいま10000人以上いるんではないでしょうか?もちろん世界一です。それは、この曲の歌詞も又、何と自然で、流れるようで、かつ、曲のイメージにあっていたからではないでしょうか。

大意は「Yesterday、昨日まで何の不安も心配事もなかったのに、今日は、もう彼女の心に愛のかけらもないことが解る。まさに青天の霹靂」ただの失恋ではなく、そこには昨日と今日との違い、その心のひだがリアルにぐさっと突き刺さる様に分かります。そしてそれが弦楽四重奏でこそ表せる。そうなんです。この曲の後ろについているのはストリングスではありえません。あくまでクラシックの弦楽四重奏なんです。この曲の持つ、この歌詞が表す、それが力であり、この曲は、そのメロディーも、その詩もポピュラーを超えているのです。

弦楽四重奏にポールのボーカルと生ギターが加わり、6人演奏で初めて形となる作品なのです。そして、その力が、私達を動かしました。『Yesterday』はジョージマーティンを動かして、ポピュラー初のクラシック、弦楽四重奏曲となり、私達聴き手、ファンを動かして、ビートルズNo.1の名曲となったのです。この時、私は気がつきました。以来ビートルズの曲(作品)ことを「3分間クラシック」と言っています。「曲の長さが違うだけなのであって、彼らが目指しているのはポピュラーのヒットソングではなくて、作品というクラシック、音楽芸術作品を創ることなんだ」と。

「Yesterday」この1曲でビートルズは大人たちにも認知されました。ジョージ・マーチンというレコーディング・プロデユーサーがポールのデモ演奏を聴いていて閃きました。「この曲のメロディーラインそして詩の内容はまさにクラシックの弦楽四重奏を付けたらぴったしだ」と思わせた、この曲そのものの力を見抜いたのです。ここではビートルズの偉業は「革新」を超え「歴史」を変えました。

部屋の様子

この曲にはもうひとつ「革新」があります。「Yesterday」のレコーディングにはポールしか関与していません。ポール以外の3人は全く関与していないのです。だのに「レノン&マッカートニー」とクレジットし、ビートルズとして出しているのです。つまりビートルズは4人でグループですが、バラバラでもいいんだ、だれか一人が創ったものでもビートルズとして出せるということは、ビートルズ自身の可能性の幅を大きく広げる事になりました。
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4.Lesson-2 サイケデリックの世界
サイケデリックの世界に入りましょう。このアルバムも、サイケデリックもまさに「革新」そのものです。まさに「革新」のオンパレードが始まりました。
このアルバムとは「SGT.PEPPER’S LONELY HEARTS CLUB BAND」です。アルバムの中央、沢山の人の前で4人が軍服を着て立っています。その服の色は軍服によくある黒や紺、グレー、カーキ色などの1色で統一しているのではなくて、4人それぞれが楽しい、凄くカラフルな色の服を着ています。

Lesson2 不思議の国を創ったビートルズ「RUBBER SOUL」というアルバムで珠玉の愛の名曲集とでもいうような、アルバムを新曲発表の一つの手段にすると言う「革新」を興しました。次に「REVOLVER」というアルバムでは音楽的な面とレコード・ジャケットをアート作品にするという「革新」を起こします。一曲一曲がそれまでのポピュラーでは考えられないような歌詞だったり、演奏だったり、メロディーラインだったり、いろんな楽器も使ったりしています。インド楽器も本格的にここで出てきます。ジャケットもアルバムの内容をイメージさせるようなイラストレーション作品で、音楽とアートが融合するような画期的なものでした。

そして次に出てきたアルバムがこの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」です。これは完ぺきに<サイケデリック>そのもので、カラフルで賑やかで、何と豪華でしょう。さらにビートルズのこのアルバムから始まったことから<サイケデリック>はテーマがあるアートになりました。

今まで絵画の世界でテーマがあるものはなかったですよね。それぞれ時代や、国や、人でジャンル名はありました。「後期印象派」とか「シュールレアリズム」とかありますが、それは派の名前であって、その派の中に一つのテーマなんてないですよね。ところが<サイケデリック>にはテーマがあるんです。まず、このレコード・ジャケットを見ただけで解る事があります。彼らは軍服を着ていますが、それがカラフルであり、また彼らは武器ではなくて楽器を持っています。これは暗に「平和」を言っているのです。

しかもこのアルバムも『愛』が主題であり「『愛』があれば世界を救う」という「平和」を望む歌詞のある曲も入っています。「サイケデリックな世界はまるで夢の世界で楽しいよ」という歌もあります。つまりサイケデリックのテーマとはまさにビートルズのテーマ『愛と夢の可能性、そして平和』なんです。そしてそれは、この後、ビートルズ以外のアーティスト達もそれを継承していき、一つのムーブメントとなります。そこまで、このサイケデリックが影響を与えたのには、この曲の力が大きかったのではないかと思われます。それはこのアルバムの最後にアンコール曲で「 I’d love to turn you on=君を刺戟したい」という決めの歌詞が出てくる「A Day In The Life」という曲です。

ポピュラーの世界で歌い手が「ファンに刺戟を与えたい。君たちを幸せにしたい」なんて言っているのは当時としては初めてのことです。そして、まさに刺戟を与えられた私達は、音楽でアートで、ファッションで、一緒に歌う、考えるといった行動、自分たちの出来ることで『愛と平和』な社会を目指し、自分たちも何か出来るという『夢の可能性』に目を開かれたのです。ではこの「A Day In The Life」という曲を聴いていただきましょう。

ー「A Day In The Life」の演奏をBOSEで聴く―

曲が終わった後に入るお遊び、これは歌詞としての意味は全然ないのですが、こういうことを平気でやる、これがまたひとつ、ビートルズの面白さです。

このアルバムでビートルズは自分たちのやっていることが人々に影響を与える、時代は自分たちについてくる、ということを確信しました。自分たちの言動には責任があるということを感じます。それで慎重になってものを言わなくなったか? 否、全然そんなことはなく、反対にますます世界をリードする様になっていくのですが、まさにその象徴の様な印象的なことがありました。

1963年11月22日に全世界衛星同時中継の実験放送がありました。この実験自体は成功したのですが中身が大変でした。「ケネディー大統領の暗殺」がその時に起こったのです。あまりに暗い悲劇的なニュースが衛星中継を通じて世界中に流れてしまいました。このために衛星中継の本放送化は中止になってしまったのです。

それから4年たった1967年、「もういいだろう。では第一回目の放送をしよう。それは世界祭典にしよう。」ということで「Our World」という名前に決まりました。世界の主要な人たちに出演してもらって、自分の国を紹介する話をしていこう、という企画でした。
ほとんどの国が大統領とか首相だとかのお偉いさんが出て「我が国は・・・」とやったのです。

簡単なことさ愛こそが世界を救うところがイギリスでは女王陛下が出てきて何かおっしゃるのかと思ったら、ビートルズが出てきたのです。そこで始まったのが「 All You Need Is Love=愛こそは全て」です。この曲は全世界30億人が見たということです。僕も朝眠い目をこすりながら見ました。

なかなかビートルズが出てこない。3時50分頃ですか、やっと始まりました。世界が一つになったということを実感しました。6月の25日でした。蒸し暑くて、僕は4畳半の部屋で窓を開けて聴いていたのですが、いつもの蒸し暑さとは別の、外からワーッと生温かい、濃い空気が入ってくるような気がしました。

「今、みんな同じ気持ちでこれ見て、聴いてるんだよな」そして『愛』ということをすごく感じたんです。最初にフランスを表す「ラ・マルセイエーズ」から始まります。そしてエンディングではグレンミラーの「イン・ザ・ムード」アメリカ、バッハの「ブランデンブルグ協奏曲」ドイツ、そして「グリーン・フィールズ」でイギリス、その後でビートルズのオリジナル「She Loves You」が出てきます。僕はラストでジョンがその<She Loves You Yeah!Yeah!Yeah! ~>と歌っているときには思わず泣けてきました。そういう思い出がある曲、「All You Need Is Love」を聴いていただきましょう。

ー「All You Need Is Love」の演奏をBOSEで聴く―

自分たちのために歌うのではなくて、みんなのために歌う、これが、ビートルズの魅力であり、「革新」の一つです。そして、まさにこの「All You Need Is Love=愛こそは全て」は彼らの全体のテーマでもあったと思います。ポールも自分で言っています。「僕たちはいろいろな曲を創ってきたけれど、そのテーマは一つだ。愛しか歌っていないのだ」と。これもまた一つの「革新」ではないでしょうか

今、私も好きでたまらず、40数年ビートルズに関わりその結果が、偉そうにこうして人前に立ってビートルズ、ビートルズと言っていますが、実は、毎回めちゃくちゃ緊張しますし、幾ら準備しても、まだなんか足りない気がして大丈夫かな、今日はうまくいくかなと祈り心地です。始まってしまえば知らん顔していますが・・・(笑)。

ビートルズも、特にこの時ジョンは、「自分で創った曲だのにうまく歌えない」とめちゃくちゃ緊張し、放送本番前には、幾度もトイレに駆け込んで大変だったそうです。更に、気を落ち着ける為にガムを貰い噛んでいたそうです。そのまま本番が始まってしまい、結局本番はガムを噛みながら歌うことになった。見ていた私達は「ガムを噛みながら歌っている・・カッコいいなぁジョンは・・・」なんて思っていたんだよね。(笑)

これは偶然でしょうが彼らは「Love Me Do」という曲でデビューしました。そして最後、彼らが解散して25年目、既にジョンは亡くなっていましたが、ジョンの作った曲をコンピュータ処理し、まるで生きているように他の3人はそれに合わせて一緒に歌って新曲を発表しました。その曲が「Real Love」と言う曲でした。ですからビートルズは最初から<Love> で始まり<Love>で終ったのだというのは僕のこじつけですが、彼らはそれほど常に『愛』を歌ってきたことは事実です。

ポピュラーというジャンルはもともと愛の歌で成り立っているようなものですが、それは男女の愛にほぼ限定されます。しかしビートルズの愛は、例えば「All You Need Is Love」でも歌詞が「あなたが自分でやろうと思っても何も出来ないかもしれないし、歌おうと思っても歌えないかもしれない。でもいつかは出来る様になるし、歌えるようになるよ。愛さえあれば。」というような表現をしています。

つまりビートルズの場合「男女の愛」あるいは「愛の賛歌」ではないんです。愛の概念を広げて、男女の確執の愛から、より広い「愛の持てる力、大切さ」を歌っているのです。そのような「愛」に皆が気がつけば世の中の混沌を少しづつでも良くしていける、自分たちの歌で、少しでも多くの人が幸せになることを、そういう思いで歌っていたのだと思います。これもいわばポピュラー音楽界における大きな「革新」の一歩です。
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5.Lesson-3 ロックの世界
「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」はアルバム全体が一つのテーマを持っているように言われました。でも次のこの「THE BEATLES =通称ホワイト・アルバム」では30曲が30の違ったジャンルを示し百花繚乱の感じでした。いわば全く正反対のアルバムを発表したのです。

このアルバムから『ロック』が生まれました。大きな音楽界の「革新」でした。更にもう一つ話題がありました。このとき彼らは「アップル」と言う自分たちの会社を興しました。それまでもアーティストがレーベルを持つということは皆無ではなかったのですが、ビートルズが自分たちの会社「アップル」を作り、自分たちのレーベルを持ったということを大々的に知らしめたことで、それまでのレコード会社とアーティストの関係は、はっきりと逆転しました。レコード会社がアーティストを擁し、レコード会社が主導権を握っているのではなく、レコード会社はアーティストの作った作品を販売する立場になったのです。これもまた一つの大きな「革新」でした。

彼らはアップル・コープスという会社を作り、レーベルを持っただけでなく、なにかをやりたい人たちに可能性への道筋をつけてあげようという部門も作りました。この会社ではさらにブティックや、エレクトロニクス関係など8つくらいの部門がありました。でも全部失敗してしまいます。たったひとつ残ったのがアップルレーベル、レコード部門だけでした。
アップルと言うのは英語でAから始まる単語で、子供達が最初に習う単語です。つまり、英語圏人にとって誰もが最も親しんでいる言葉、「AはAPPLEのA」と習うその「アップル」なんですね。実にうまい命名だとはおもいませんか。

ビートルズが拓いた新世界その「アップル」で一番最初に出したのが、「Hey Jude / Revolution」というシングル盤と「THE BEATLES(通称ホワイト・アルバム)」という名前のアルバムでした。「ヘイ・ジュード」はビートルズに関した本や教科書などに盛んに取り上げられていますね。でもそこでは「当時ジョンはヨーコと恋に落ちて離婚してしまい、息子であるジュリアンが悲しんでいた、それをポールが慰めに行く車の中で「ヘイ・ジュリアン」と浮かんできたのだ」と書かれています。この部分ばかりが多く取り上げられています。

でも肝心なのはそこの部分ではないのです。それは「ヘイ・ジュード」と言う曲が出来た動機ですね。『せいうちとリンゴとビートルズ(高嶋氏著作)?』という本を出していますが、そこでも言っているのは、大事なのは動機ではなくて『テーマ』なんです。この曲は何を言いたいのか、つまり「ヘイ・ジュード」は「世の中にはいろんなことがあるが、そういうときにも歌を歌えば元気になる、もう一回、心を奮い立たせ、よりよき明日に向かって生きよう」ということを歌っているのです。

これからおかけするのは「ヘイ・ジュード」反対面の「レボリューション=革命」というタイトルです。彼らの革命についての考え方が歌われています。「破壊をするんだったら僕を入れてくれるな。世の中を変えたいなら、まず、あんたの頭の中を変えたらいいんじゃない。」と歌っています。つまりビートルズは音楽でみんなが一緒に楽しんで、「Getting Better」になっていけば、その時ひとりでに世の中はいい方向に変わっていくよと言っているのです。しかも、実際に彼らはそれを身をもって見せてくれたのです。

さっきの「All You Need Is Love」なんてまさにそうです。この後、音楽は文化、社会の中心になって70年代は『ロック』が産業になっていきます。それは 音楽が世の中の主流になるとともに、 サブカルチャーだった若者文化が「ロック」によって台頭してきたことによります。サイケデリックからそのテーマを受け継いだ「愛と平和」を主題とした「ロック」の精神がパワーを持ち、ベトナム戦争を終結へと導き、ベルリンの壁も壊れて、冷戦もなくなっていくのです。このように世の中を変えていく本当の力は、私たちの心が変わることなんです。たとえ歩みは遅くとも一人ずつ変わっていけば世の中は変わっていく、それをビートルズは訴え、実現したと言えるのはないでしょうか。ではここでビートルズらしい革命ソングを聴いてみてください。

ー「Revolution」の演奏をBOSEで聴く―

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6.アビーロードB面を聴く
いよいよ今日の本題であるアビー・ロードB面に入りたいと思います。前回の講演ではA面をやりましたが、このA面では一曲一曲が独立していました。ですから今まで通りのアルバムが出たんだなという感じでした。ただひとつ違っていたのは、曲そのものが非常に高度で、それまでとは全く違う雰囲気で、僕の第一印象としては「あれ、ちょっとローリング・ストーンズに近くなった?」というような黒っぽい感じがしたんです。でもよく聴いているうちに、また新しい世界がでてきたんだなと思いました。それは、その演奏は更に緻密に高度化され、歌詞も非常に意味深で、かつ研ぎすまされていたのです。一曲一曲に今までのビートルズには無いカラーが宿り、しかもテイストが全然違うのです。

ABBEY ROAD

特にジョンが作った2曲、一番最初と一番最後にあるんですが、最初に出てくる
「Come Together」は その歌自体は一つのストーリーになっているんですが、 ジョンから見た4人の解散間近の心理状態をうまい具合に歌詞の中に盛り込んで、歌っているのです。そして、この曲はすごく歌詞が多いのですが、最後に出て来る「I Want You」は逆に
「I Want You(So Bad)」と「It’s Driving Me Mad」「She’s So Heavy」しか歌詞がありません。

この曲が出たとき「ああ~ジョンも詩が書けなくなったんだ。彼の才能も枯渇したんだ」という意見があったんです。よくいうなと思いました。あの曲を聴いてそんなこと誰も思いませんよ。 それに今同じアルバムで、「Come Together」をきいたとこでしょ。 (笑)ジョンがヨーコにべた惚れで、もう彼女がめちゃくちゃ好きなのです。あなたが欲しい、「I want you」しか言うことがないんです。だからそのまま歌にしたんです。これほど素晴らしい歌詞はないと思いました。そのころジョンはヨーコに俳句を教えてもらっていたらしいのです。端的に気持ちを表すということを追求した結果もあったのでしょう。これがジョンの才能であり、その代表作だともいえます。

それがB面になるとがらりと変わります。先ほど話しました、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の中には「A Day in the life」という曲がありましたが、あの曲はジョンがメイン部分を考えていました。ところが一番肝心のさびの部分がどうしても浮かばない。考えあぐねた末にポールに電話をかけました。「サビのところがどうしても浮かばないんだ。」というジョンにポールはその電話口で「俺、今こういう曲があるんだよ」といって、口ずさむのです。

「それ、ばっちり、それいい、それで行こう」ということに即決して、結果この曲はポールとジョンの合作になるのです。このジョンとポールの「ノリ」です。この「ノリ」がアビーロードのB面全面にいき渡っているのです。4人が一体になってビートルズになって表現する、それがこのB面で出ているのです。4人一緒でなくては出来ない素晴らしいコーラスがあったり、最後の方では3人がギターバトルをするんです。競演ですね。

先に言いましたが、ビートルズの曲のことを僕はよく「3分間クラシック」と表現します。
クラシックと言うのは楽譜をもとに各楽器のプロ中のプロである演奏者が集まって演奏するわけです。ですからあくまで楽譜に忠実です。指揮者の解釈にしたがって、それを楽器で表現していくのがクラシックですから、原点はあくまで楽譜です。ロックだとかフォークだとかはそうではありません。それらの曲は作者の感性で作られたものが主体です。基本は本人達のカリスマ性、音楽的天性と感性と、楽器の演奏力等々です。

ビートルズは楽譜は読めません。感性で曲を作ります。初期のアルバム「Please Please Me」の頃は一発録りしか出来ないというスタジオの録音技術的事情もあったので、彼らがライブでやった曲の演奏そのままの形でレコーディングして発表してきました。でも、その頃も彼らの曲の作り方はクラシック的だったのです。その一例として「Please Please Me」ではポールは既に部分的にメロディ・ベースを弾いています。ベースがただ単に低音で拍子に合わせてそこに音程をつけているのではなくて、ちゃんとベースがメロディを弾いて遊んでいます。リンゴのドラミングも、非常に曲とマッチしてまるで曲の一部となっています。

さらにボーカルの入り方もきれいに器楽の部分と重なっているのです。だから曲の構成がしっかりとしていてどこも外せないんです。ですから、出来た曲は他の連中がいかにカバーしようとやっぱりビートルズの曲が最高なんです。僕がこういうと「それはお前はビートルズキチガイだから」と言われるかもしれません。でも僕の今年90歳になる母がビートルズだけは音楽になっていて聴けるというのです。母は邦楽とクラシックしか聴かない人です。その母がいうのです。また、ちょっと聴いただけで、あっ、この曲はビートルズだとすぐ分かると言います。それだけ曲の構成がしっかりしているということだと思います。

そして、ビートルズのこのオリジナリティー、構成力、すべてが完璧に出来上がっている状態を記録してある、つまりクラシックの楽譜に当たるのがレコードだとすると、そこにアドリブが入ることは非常に難しくなります。実際ビートルズは「僕たちの曲を聴きたいときはレコードで、僕たちを見たいときはコンサートに」と言っていますし、彼らのコンサートはギターの間奏の部分まで、レコード通りです。

ABBEY ROADイメージ2

しかし、このABBEY ROAD B面はクラシックの構成力、完璧性が完成されているのに、なおかつアドリブの「ノリ」の勢いが全面にいき渡っているのです。しかも、ここで特筆すべきはリンゴ・スターです。「ドラムはバックで曲全体を支えることが大事で、前面に出てはいけない」と言っていた彼が「Carry That Weight〜The End」で初めてドラム・ソロを披露し、エンディングへの盛り上がりを誘導しているのです。このドラム・ソロの後に先ほどいいました、ジョージ、ポール、ジョン3人による、これも初めてのギター・バトルが繰り広げられます。これは、ビートルズの『ロック』への一つの解答であると同時に、「ビートルズロック」がクラシックを超えた、芸術性、音楽性を獲得した瞬間でもあったのです。 

もうひとつ言いたいのは、彼らの場合4人が4人とも平等なんです。ビートルズはその初めからリードボーカルとバックバンドいう形ではないのです。それぞれは4つの楽器を受け持って、ボーカルもやって、それがそれぞれのパートを果たすから、すべてが曲の構成の一部となります。それがその曲の個性を引き立たせ、また、ビートルズがクラシック的である所以ともなるのです。ですから8人で演奏しているクラシック=芸術的な作品、僕はそれがビートルズ・スタイルだと思っています。

この後ビートルズに影響を受けた「ロック」のバンドでは、それぞれの楽器のスター(つまり、技術力の高い人達)が寄り集まって、オリジナリティーに溢れ、特にプログレッシブや、ハードロックといわれるジャンルのロックはビートルズに近いものが出てきています。それでもやっぱりボーカルまでが楽器の一部として曲の構成に関ると言うことはなかなかありません。

ただ、楽器演奏者も自分のソロのパートになると前に出てくるという場面が生まれてきました。ですからロックではギタリストとかベーシストとかが有名になるという現象は起こりましたが、でも根本的にビートルズとは違うのがわかりますよね。どちらかと言うとジャズっぽいっていたらいいかな。ビートルズは4人で一体なのです。このアビー・ロードB面を聴けばまさにその通りだということがよくわかります。

そして彼らの『革新』がもうひとつあります。
先ほどの繰り返しになりますが、ビートルズがクラシックを凌駕した、もう一つの『革新』です。それは、『芸術性とコミュニケーション』の融合です。曲の構成要素の一部として、ボーカルというより、歌詞=メッセージが同在していると言うことです。そして、ビートルズはその最後にあたり、これ以上にない音楽とコミュニケーションの融合を魅せてくれました。

それがこのB面の最後の曲「THe End」です。この歌詞はよく聞いていただくと分かって頂けるだろう簡単な英語なのですが、念のためちょっと先に言っておきます。
An In The End The Love You Take Is Equal To The Love You Made」つまり「愛はあなたが与えただけ還ってくる」という意味です。そしてこれが、今日の講演でも一番のポイントな部分であり、ビートルズにとっても正真正銘、最後の最期に私達に送ってくれたメッセージです。これで、いかにビートルズが、その全活動が私たちの幸せの為にあったかが分かる最高のメッセージですよね。

これが彼らの最後の『愛』のメッセージでした。英語圏の人間ではない私達でも、高校程度、いや中学程度の英語力でも充分に理解出来るのではないでしょうかこれが、最後の最期にビートルズがやってくれた「革新」なのです。 ウォルト・ディズニーがアニメーターになった目的は、世界中の人々に分け隔てなく共通に通じる手段だからだといっていました。
ビートルズは、世界中の人々と幸せを分ち合うコミュニケーションの手段として音楽を演りました。

だから、同じ英語圏の人に、彼らにとっては通常会話である普通の英語でこんなに綺麗な曲が出来る、まるで奇跡だと言わせました。そう、世界中の人が分かり合える簡単な言い回しで、ビートルズは曲を書き、演奏し、私達に愛を贈り続けることを、実践してくれたのです。

ではいよいよ待望のABBEY ROAD B面の演奏を聴きましょう。

ー「Abbey Road B面」の演奏をBOSEで聴く―

どうでしたか?
「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の時の様に終わったと思うとしばらく間が空いて「ジャーン」とあって1曲ありましたね。ビートルズはああいうお遊び=付録をちょっとこうして付けてくれるのです。レコードでオートチェンジャーだとここまで行かないものがあって、ここを聴いていない人もレコードの時代にはいたといいますが・・・。

「君が与えただけの愛は還ってくるんだよ」なんて最後に高尚なことを言っていて、数秒しての「ジャーン」から何を言っているかというと「女王陛下とお茶を飲むには一杯やらないとやっていられんわな。こんどこそ絶対ものにしてやるぜ」なんて言っているのです。これを聴いた女王陛下が、笑ってすませるところがイギリスのいいところですね。ということで長い時間ありがとうございました。
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自主出版の本を紹介する岡本講師7.ビートルズを語る本を出版する
最後に少し自己宣伝をさせて下さい。
ビートルズ・アート・ムック的な本を作ろうと思って企画してから12、3年になります。案を作り出版社など何社も当たりましたが、どうもうまくいきませんでした。

出版社にお願いすると、文章をもっと多くしろとか、ビートルズのヒストリーや情報について書いてくれとか(つまり曲のことについて書く場合、その動機を書く)それで去年60歳を記念して思い切って自費出版で出すことにしました。

何に一番こだわったかというと、先ず、ビートルズが伝えたかったことを伝える。そして、私がビートルズに出会い、感動し、人生が変わるきっかけになった様に、この本を見て下さった方が「I’d Love To Turn You On」すればいいなという思いを込めて、1ページ1ページ思いっきり遊びました。そして、文章の書き方もなるべく僕流でやりました。エッセイ風に書いたり、詩的にしたり、歌詞的にしたり、散文的にしたり各ページ毎に書き方を変えています。それから各ページごとにレイアウトやデザインにも工夫を加えています。つまりビートルズの本を出すのですから、出版界への挑戦と言った意味も込め、私なりの「視覚的ビートルズ」をやってみたのです。とにかく見て、読んで、楽しんで頂き、ビートルズが聴きたくなって頂けたら最高です。

ビートルズは213曲出しましたが、僕は2ページ見開きの64章で僕なりに視覚という形で<備流ビートルズ>を表現したつもりです。今日の話が気にいっていただけて、もう少しビートルズとは一体なんだったのか、そのワクワクする、カッコいい中身に触れたいなーと思う方はよろしかったらご購入ください。

それからこうやって講演を聴いた後にも、みなさんが「あ〜ビートルズのレコードを聴いてみたいな」と思っていただけるのが一番うれしいことです。 本日はどうもありがとうございました。



文責:岡本 備・臼井良雄
会場写真撮影:橋本 曜
HTML制作:和田節子


本文はここまでです


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