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2012年5月25日 神田雑学大学定例講座No.601

伝統工芸品 江戸つまみかんざし一筋50年 講師 穂積 実



メニューの先頭です 目次

アクセント画鋲
   講師紹介
   何も考えず続けていたら、いつのまにか半世紀
   小さな絹の布を指でつまんで作ることに由来
   春の桜、夏の向日葵、秋の紅葉、冬の梅 
   いいもの、売れるものを作るのが職人
  

講師紹介 (吉田源司理事)

穂積講師の写真      講師  穂積 実
 江戸つまみかんざし職人・夢工房穂積



本日は、江戸つまみかんざしの穂積実さんをご紹介します。穂積さんは、1936年福島県生まれ。51年につまみかんざしの名人である故・石田竹次氏に師事するため上京され、厳しい修業に入りました。

61年に独立して、松戸の矢切に家を構え、66年には、現在の市川大野に転居されました。私は、穂積さんと住まいが近いこともあって、以前から親しくさせていただいています。

工房のあるご自宅にもよくお邪魔しています。アトリエには、ところ狭しと材料や制作中のかんざしが並んでいます。色や形、素材もさまざまです。

穂積さんは、結婚後は、ご夫妻で「江戸つまみかんざし」の創作・製造を行って、平成元年に東京都伝統工芸品に指定されています。

また、卓越技能賞や市川市民文化賞奨励賞を受賞され、現在は、東京都指定伝統工芸江戸つまみかんざし振興会、千葉県指定伝統工芸会に所属されています。まさに、「江戸つまみかんざし」を広められた第一人者です。

職人さんというと、仕事に厳しく、どちらかというと気難しい方なのかなと思われるかもしれません。けれども、穂積さんは、このとおり、とてもにこやかで、気さくで、ユーモアのある方です。しかし、仕事にかけては一徹ともいえる、まさに職人という感じです。

三越日本橋本店をはじめとする各地のデパートの催事場で、お正月などに伝統工芸品展が開かれています。そこには、穂積さんも出展されて、よく実演を披露されています。私も何度かうかがっていますが、穂積さんのまわりには、いつも人垣ができて、みなさん、興味深く楽しそうにご覧になっています。

きょうは、貴重なオリジナル作品を会場にたくさんお持ちいただきました。ゆっくりご覧いただきながら、「江戸つまみかんざし」一筋の人生をうかがいたいと思います。

さらに、ここで「江戸つまみかんざし」の実演も披露してくださるそうです。どうぞよろしくお願いいたします。

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何も考えず続けていたら、いつのまにか半世紀

こんばんは、穂積です。「江戸つまみかんざし」一筋といっても、はじめから自分で選んだわけではないんです。福島の親にいわれるままに入った道です。15歳のとき上京して、「江戸つまみかんざし」名人の石田さんという師匠の家に弟子入りしました。

それから、まだ60年くらいしかやってないんですよ。何も考えることなく、黙々と、この仕事を続けていたら、いつのまにか半世紀経ってしまいました。でも、いま、「江戸つまみかんざし」の職人と呼ばれるのは、日本でも片手くらいしかいないそうです。そういう意味では、とても貴重かもしれません(笑)。

講演会場風景

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小さな絹の布を指でつまんで作ることに由来

かんざしの部分の写真 「江戸つまみかんざし」は、羽二重(はぶたえ)と呼ばれる絹を主に用います。あざやかな色、ぼかし模様などの色布をつまんで花弁や花びらにし、これを組み合わせて作ります。「江戸つまみかんざし」という呼び方は、切手くらいに小さく刻まれた色鮮やかな羽二重を、指先でつまんで作ることに由来します。

現代では、七五三やお正月や成人式のときなどに、女性の髪飾りとして晴れ着姿をいっそうひきたたせる。女性の晴れの舞台のひきたて役として、髪を飾っています。

かんざしの部分の製作 歴史は古いんです。「江戸つまみかんざし」は、その名のとおり、江戸時代に始まったといわれています。1850年頃に存在したことはわかっているのですが、「この人が初めて作った」というはっきりした記録はないそうです。

江戸時代、町人文化が開花した文化・文政年間に最盛期を迎えて、明治以降も受け継がれ、現代に伝えられています。そのつくり方は、当時とほとんど変わっていないといわれています。百年以上もの歴史があるということで、東京都の伝統工芸に指定されています。

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春の桜、夏の向日葵、秋の紅葉、冬の梅

かんざしの写真1 「江戸つまみかんざし」が誕生する前は、生花や紅葉の枝を髪にさした「花かんざし」というものがありました。「源氏物語」にも、この「花かんざし」を髪刺(かみざし)と呼んでいたとしるされているそうです。これに、「挿頭花」という文字をあてて、宮廷の集まりには、男女とも、髪や冠に髪刺をさして参席したそうです。宮中の女官たちが髪に飾るようになり、帯留めや根付けとしても使われて大ブームになったようです。

京都の舞妓さんは、1月は松、2月は菊、3月は菜の花と、月ごとにかんざしを替えて、12ヶ月のかんざしをずらり並べると、目を見張るような美しさです。

「江戸つまみかんざし」でも、春の桜、夏の向日葵、秋の紅葉、冬の梅など、季節に合わせたかんざしを作っています。お部屋に飾ると、華やかなインテリアにもなるので、人気です。
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いいもの、売れるものを作るのが職人

かんざしの写真2 「江戸つまみかんざし」というと、古典的な古臭いイメージがあるかもしれませんね。でも、私は、現代的なデザインや新しい素材も積極的に取り入れています。世の中が振り向いてくれるよう、流行にも絶えず気を配っていますよ。
常に流行を意識して、作品にうまく取り入れることができないか、研究しています。

いまは、1月の成人式や11月の七五三などの晴れ着にぴったりの豪華な前差しの三点セットなどの和装小物が主流です。そのほか、バラのような洋花やビーズを使ったブローチなどのアクセサリー作品もあります。

時代の流れもうまく取り入れて、過去を振り返らず、伝統に縛られすぎないこと。そうすることで、よりよい作品が生まれると思っているんです。これからも、「江戸つまみかんざし」を通して女性を演出し続けていけたらよいですね。

名人は手を掛けて一番いい品を作る。職人は手を掛けずにいいものを作る。いいものとは、売れなくちゃいけない。職人とはそういうもの。これからもよりよいものを作り続けていきたいですね。

かんざしの実演

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「江戸つまみかんざし」の実演

(下記URLをクリックするとyoutube画面へ)
http://www.youtube.com/watch?v=rGgNE0rxj8A



講座企画・運営:吉田源司
テキスト制作:吉田悦花
会場写真撮影:吉田源司
HTML制作:大野令治

本文はここまでです


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