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2012年9月14日 神田雑学大学定例講座NO616 

アルゼンチン・タンゴ夜話、講師 神田秀一(皇室ジャーナリスト)



メニューの先頭です 目次

画鋲
プロフィール
ピアソラの「リベルタンゴ」
日本では入手困難な輸入CDを聴いて
タンゴの多くはラブソング
アコーディオンより難しいバンドネオン
タンゴの生まれた国は




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神田秀一講師プロフィール
1935年東京生まれ。早稲田大学卒業後、1958年、九州朝日放送にアナウンサーとして入社。1961年にNET(現:テレビ朝日)移籍。

NETではアナウンサーを経て報道局へ異動、BBC出向を経て、1978年から宮内庁担当記者を務めた後、1995年退社。

皇室ジャーナリストとして、テレビ朝日「報道ステーション」などに出演。桜美林大学の兼任講師を経て、現在は非常勤講師を務める。日本記者クラブ会員。


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ピアソラの「リベルタンゴ」
この夏、長野県軽井沢町では、「サメ」が話題になりました。「ふかひれ」を連想させる魚類ではなく、アストル・ピアソラの作品です。標高1000メートルの高原の町に、海の魚がいるわけはありません。しかし、「ペヘレイ」という藤五郎鰯(トウゴロウイワシ)の仲間(淡水湖に生息する魚)を養殖している長野県ですから、人の力が加わるなら、海の魚がいても不思議ではありませんね。

NTTドコモの着信音に採用されたピアソラの「リベルタンゴ」は、すっかり有名になりましたが、初期の作品は、あまり知られてはいません。「サメ」は、若いヴァイオリン奏者が好んでとりあげていて、軽井沢の大賀ホールなどでも演奏されました。

最近、ピアソラの作品は、純音楽中心のコンサートでも登場し、脚光を浴びています。ピアソラは、ヨハン・セバスチャン・バッハともよく対比されます。バッハの平均律とピアソラの12音音階が共通点なのか。

吉田理事が神田講師の紹介をしている私は、NPO法人神田雑学大学の吉田源司理事からお話をいただいて、今回、「アルゼンチン・タンゴ夜話」というタイトルでお話させていただき、みなさんにおくつろぎいただければと思っています。

CD、譜面、楽器(バンドネオン)を持参しましたので、のちほどご披露したいと思います。

CDは、日本では入手困難な輸入品を用意しました。譜面は(素人でよくわからない点もあるのでお許しいただき)自分でアレンジーしたものを、楽器は日本ではおそらくないであろうもので、標準型とは構造が違う古いドイツ製のバンドネオンを持参しました。
タンゴの話の前段では、イベロアメリカ全体の音楽についてもふれたいと思います。

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日本では入手困難な輸入CDを聴いて
最初にお聞きいただいのは、ピアソラ初期のタンゴで、日本ではあまりとりあげられない「エル・デスバンデ」です。デスバンデというのは、「我勝ちに逃げる」という意味で、どのような状況で曲にしたのかはわかりません。

ピアソラ自作自演のタンゴで、バンドネオン、ビオリン、ピアノ、チェロ、コントラバスという構成です。

講義中の部屋の様子

そのほか、ダリエンソ楽団が演奏する「ドン・ファン」、アンヘル・ダゴスティーノ楽団の「ドミンゲス酒場」、タニアが歌う「メルセ寺院の鐘」、ミゲル・カロー楽団の「アル・コンパス・デル・コラソン」など、9曲をとりあげました。

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タンゴの多くはラブソング
では、タンゴという名称はどこから来たのでしょうか? いろいろな考証がありますが、私は、スペイン・アンダルシア地方の民謡説を支持したい。今日のタンゴは、ハバネラ~ミロンガ~タンゴと発展したと考えられますが、本流に入る支流には、ポルカやカンドンベもあったのではないでしょうか。

また、タンゴから分かれた流れには、いわゆるコンチネンタル・タンゴ(正確にはタンゴ・エウロペオというべきか)があります。これは、イギリスの「タンゴ」(清涼飲料水)とは無関係です。

日本のタンゴ・ファンは、ダンスや演奏に興味を持ちますが、アルセンチンでは、ダンスと歌が好まれ、ほとんどの曲に歌詞がつけられています。その内容は、大部分が男と女のラブソングで、結末は、男が振られるものがほぼ100パーセントです。

例外的なものもあります。大歌手、カルロス・ガルデルが、1933年にブエノスアイレスで最後に歌った「マダム・イボンヌ」です。フランスから男にだまされてアルゼンチンに連れてこられた娘が、やがて捨てられ、悲しむという救われぬ歌です。

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アコーディオンより難しいバンドネオン
バンドネオンを弾く神田講師バンドネオンは、ドイツに生まれました。イタリア、フランス、アルゼンチンでも製作されましたが、本場ドイツ製の楽器にはかないません。バンドネオンには、蛇腹を押しても引いても同じ音が出るディアトニコ型と、押し引きに同音のクロマティコがあります。

前者は、リードが2枚入っていますが、後者は1枚で、音質は比較にならないほど、ディアトニコのほうが優れています。リードには、スウェーデン製が最良といわれますが、今は入手困難となっています。

バンドネオンのボタンは、右が38、左が33で、これが標準型の楽器の数です。音域は、左右でおよそ4オクターブ半。バンドネオン奏者は、押し引き142音を覚えることになります。コードは、アコーディオンより難しく、自分で音を組み合わせて作ります。

椅子に坐る位置や高さによって、蛇腹の動きが変わるので、練習のときにトラブルがなくても、本番の会場で勝手が違うことがときどき起こります。また、音が鳴りっぱなしで止まらないというケースも珍しいことではありません。

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タンゴの生まれた国は
アルゼンチン・タンゴは、8分の4拍子で書かれますが、日本では、4分の2拍子と思っている人が多いようです。また、タンゴというと、欧州タンゴのリズムしかないと思っている人がいますが、実際は複雑で、単純ではありません。

タンゴの演奏は、ピアノ、コントラバス、ヴァイオリン、バンドネオンによるものが標準的で、ときにチェロやフルート、ギター、ドラムスなどが加わることもあります。標準的な形式をオルケスタ・ティピカと呼んでいます。

マイク片手に講義する神田講師ミロンガは、最近、大衆の踊りの場の意味に使われます。「シン・ルンバ」「ミロンガ10」などといった店が人気だといいます。500円前後の入場料で踊ることができます。営業時間は、夜11時から午前2時ごろまで。軽い食事も可能だそうです。シン・ルンバ、すなわち大衆の質素なダンスホールは、「タンゴの大聖堂」といった広告もあります。

あやしげなボカの酒場や男女がからみ合う港町で発生したタンゴは、130年を経過して、世界的な音楽になりました。

タンゴは、ラ・プラタ川沿岸の船着き場で育った音楽で、対岸のウルグアイにもタンゴがあります。カナロもロドリゲスも皆ウルグアイ人で、アルゼンチン生まれではありません。

民放テレビのクイズ番組で、「タンゴの生まれた国は、次の三つのうち、どれか」というのがあり、「フランス、ドイツ、アルゼンチン」とありました。テレビ番組の正解はアルゼンチンでしたが、ウルグアイの人が見ていたら、吹き出すか、怒るか、どちらかでしょう。





講座企画・運営:吉田源司
文責:神田秀一(吉田悦花)
会場写真撮影:河野成夫
HTML制作:和田節子


本文はここまでです


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