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NPO法人神田雑学大学定例講座 2013年9月13日No663 

講義名 健康長寿は予防と融合医療から!

講師 澤野 進
講師(東洋クリニック蒲田名誉院長)



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講師紹介
講師プロフィール
21世紀の新たな医療
1糖尿病
2寝たきり予防
3ダイエット

●講師紹介 吉田源司(NPO法人神田雑学大学統括理事)
本日、講師にお招きしました澤野医師は、西洋医学、東洋医学、伝統医学、スポーツ医学などを融合させた統合医療である 「融合医療」を目指されています。
西洋医学は、検査データではっきり異常を示したものだけを「病気」ととらえ、「何となく痛い」「何となくだるい」 といった病名のつかない症状に対しては、なかなか対処することが難しいといます。一方、東洋医学は、 このような、病気になる前の状態である「未病」に対しても、人間が本来持っている自然治癒力や免疫力を回復させることで、 改善に結びつけるのだそうです。

薬に関しても、西洋医学で使われる薬は副作用のあるものが多く、また、病名が同じであれば、 どのような患者さんに対しても同じ薬が用いられます。それに対し、漢方は、患者さん一人ひとりの体質に合わせて処方するのが特徴です。 漢方薬にも、数日から2週間ほどで効果が現れる即効性のあるものも多くあるそうです。 そのため、東洋医学と西洋医学、それぞれの利点を活かして、症状と体質に合わせた治療法を選ぶことが大切です。

澤野医師は、従来の診療に加えて、患者さんお一人ひとりに合わせて、漢方や整体、マッサージなどを組み合わせた治療を行い、 食事や運動についても、その方の状態に合ったきめの細かいアドバイスをされているそうです。 健康増進のためには、西洋医学的な高度療も大切ですけれども、患者さんご自身の心がけと生活習慣の改善も重要です。

澤野医師は、治療効果を高め、健康を維持するため、「病気になってから病院にかかるのではなく、 病気にならないための知識と実践が必要」という信念から、 融合医療と病気を予防する、 健康増進法を伝えることに力を注いでおられます。

その手技については、「定例講座650回記念祝賀会」に参加された方は、すでにご存じだと思いますけれど、 きょうは、「健康長寿は予防と融合医療から!」というお話とともに、頭痛、肩こり、五十肩、首や足腰や膝などの痛みのある方に対して、 得意の手技で、この場で症状をやわらげていただけるそうです。では、よろしくお願いいたします。

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●講師プロフィール
講師 澤野 進 (東洋クリニック蒲田 名誉院長) 1953年横浜市生まれ。1979年東京学芸大学卒業。山梨医科大学卒業後、ニユージーランド・オークランド大学で柔道指導。 1989年東京大学医学部付属病院小児科に入局。関東労災病院小児科、東京アレルギー研究所、恵山町立国保病院院長、 にこにこ医院院長等を歴任。

2013年2月東洋クリニツク蒲田名誉院長。標準的な西洋医学の治療に加え、 東洋医学の治療(漢方薬処方、東洋医学的なブロツク注射・ツボ注射)を積極的に取り入れ、 大病院では対処が難しい症状の治療に力を注ぐ。

また、「コメデイアンDr.三四郎」として、中高年を対象にした、楽しく役立つ健康づくりの講演会などの予防医学の啓蒙活動にも取り組むなど、 医療・教育・スポーツ分野において幅広く活動。元教師でスポーツドクター(柔道5段)。世界医師スポーツ大会・柔道金メダリスト。 全日本医師柔道大会優勝。

東洋クリニツク蒲田 http://www.toyoclinic.com/index.html

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21世紀の新たな医療
中国で約3000年の歴史のある「中医学」が日本に伝来し、特に江戸時代に日本独自の発展をし、江戸時代末期の日本国内の医学の主流になっていたのが、和漢医学です。鎖国していた時期にオランダから来た「蘭方」に対して、中国を起源にしつつ日本で独自に発展した東洋医学が「漢方」と名づけられました。 明治維新以降、西洋列強の文化を取り入れることが必要だったことは否定できません。しかしながら、 一時的にでも、漢方を捨て去ってしまった結果、日本の医療は、西洋医学に偏った医療になってしまいました。

1976年以降、漢方薬にも健康保険が適用可能となり、復権を果たしつつありますが、現在でも日本の医療費の薬剤費の中で漢方薬の占める割合は、 わずか1%に過ぎません。東西両医学に精通している医師ならば、患者さん本位の医療を心がけるなら、西洋薬と漢方薬のバランスが半々くらいになるのが望ましいと私は考えています。 現在は、欧米諸国でも東洋医学のさまざまな手法が取り入れられてきています。

西洋医学は、臓器レベルで病気を解明するには威力を発揮しますが、全身的な体の不調を改善するには、 東洋医学が遥かに勝っています。漢方薬は、ひとつの薬で多くの症状を改善させることがしばしばあります。
病気の予防と治療(3本の矢)三本の矢の画像
健康長寿を目指すうえで、まず大切なのが「病気の予防」です。そのためには、
1.適切な運動と、
2.栄養バランスの良い食事が大切です。
1.運動と 2.食事だけでも、頻度の高いメタボリックシンドローム(高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満など)を大幅に減らすことが可能です。
1.運動
2.食事だけでは不十分な場合に、
3.薬の治療を考えるのが、本来の望ましい医療だと思います。

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1糖尿病
糖尿病を例にとると、多くの医療機関では、3.薬物療法(内服やインスリン注射)が中心になりますが、多くの患者さんにとっては、 1.運動療法と、2.食事療法が重要になります。
2型糖尿病の初期の段階では、1.運動療法と2.食事療法だけで正常範囲まで改善いたします。

◎糖尿病の運動療法
聴講生の皆さん 運動療法は、食後20分の有酸素運動がお勧めです(ある種の病気で治療中の人は、運動を控えなければならない場合もありますが、 医師と相談してください)。 有酸素運動の中で、特にお勧めしたいのは、エアロバイクです。

エアロバイクは、ウオーキングと違い、雨の日でもいつでもでき、本を読みながら、テレビを視ながら、音楽を聴きながら、ととても忙しい方々にも時間の有効活用が可能です。 続けることで、どんどん心身が若返り、若さがみなぎってくる方が多いのです。

ウオーキングの場合、ただ歩くよりも、「ノルデイツク・ウオーク」が効果的なので、お勧めします。以前から、 ノルデイツク距離スキーの選手は、健康長寿を全うしやすいといわれていましたが、ノルデイツク・ウオークはフインランドで始まり、 最近、日本(特に地方都市)でも人気が高まっています。

通常のウオーキング以上に、ノルデイツク・ポールを使って「四肢」で歩く方が、体重を「四肢」で分散して支えるため、 足腰膝の痛みや肩こりの解消にも有効です。さらに、全身の運動効果も高まります。ノルデイツク・ポールを使って時速5kmで歩くと、 通常の時速6kmのウオーキングの場合とほぼ同じ運動量になります。

腰や膝に軽度の疾患を抱える方にもお勧めいたします(悪化することより、改善することのほうがずっと多いですが)、 医師と相談の上、ぜひお試しいただききたいと思います。 通常、2〜3週間で効果が出てまいります。先進国の中で、日本には運動不足の人が多いので、効果と重要性を考えると、 私の一押しの有酸素運動はエアロバイク、二押しはノルデイツク・ウオークです。

日本が世界最高の健康長寿の国であり続けるためには、 1日30分の有酸素運動を流行らせたいと思います。実際、私は、有酸素運動に1日2時間は費やしています。 「健康貯金」だと考えるとモチベーシヨンも高くなります。

◎糖尿病の食事療法
図を描きながら説明をされている澤野さん 糖尿病は、糖代謝の異常で起こる病気です。食事をすると血糖値が上昇します。血糖値を急に上げないためには、 食事のとり方を工夫することが重要です。まず、野菜から食べることにより、血糖値の上昇が緩やかになります。

白米より玄米を摂りましょう。お菓子はもちろん、菓子パン類や缶ジユース、缶コーヒーは血糖値を急に上げるので、 できるだけ避けるのが賢明です。そして、よく噛んで食べる。最低でも30回、できれば50〜100回噛むのがよいでしょう。 食生活を改善することにより、糖尿病の約半分は改善するでしょう。

◎糖尿病の薬物療法
最近は、「ジヤヌビア」や「スイニー」というよい治療薬が出て、血糖のコントロールがしやすくなってきました。 お薬の種類や量を上手に処方する医師に出会えるとよいですね。また、なかには、不適切な処方をする医師も少なくないので、 効果が不十分であったり、薬が効き過ぎて低血糖を起こしたりすることもあります。低血糖による、転倒事故も起きているようです。

糖尿病の人は、HbA1cを7未満を目指していくのがよいでしょう。糖尿病予備軍のHbA1c6くらいの人はHbA1c5.5くらいを目指していくとよいと思います。 治療していても、HbA1c8以上が続いている人は、食事療法、運動療法、お薬の見直しが必要になると考えられます。

「自分は、医師に処方された薬を飲んでいるから大丈夫」と、甘く考えてはいけませんよ。病気は、医師が治すのではなく、 ご本人の心がけが重要になります。どんな病気についても、真摯に病気に向き合うことが大切です。 ぜひ、ご自身で考えたり、調べたりするなどして、「健康学のプロかセミプロ」を目指してみたらいかがでしょうか?!

◎3大合併症
糖尿病は、重症になるまで自覚症状が乏しいので、患者さんご本人が真剣に病気に向き合うのが遅れてしまいがちです。気を抜くと3大合併症に見舞われてしまいます。「糖尿病性網膜症」、「糖尿病性腎症」、「糖尿病性末梢神経障害」です。具体的にいうと、「失明」「人工透析」「足の切断」に至るといえば、わかりやすいでしょうか。 糖尿病の方の寿命は、平均寿命より10歳ほど短くなっています。まわりの方で糖尿病や生活習慣病の方がいらっしゃいましたら、お酒、食事、おやつのお誘いには、特に気をつけて差し上げましょう。

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2寝たきり予防
さて、寝たきりの原因は、なんでしょうか?(平成22年国民生活基礎調査)
第1位 脳卒中(21.5%)
第2位 認知症(15.3%)
第3位 高齢による衰弱(13.7%)
第4位 関節疾患(10.9%)
第5位 骨折・転倒(10.2%)

脳卒中や心疾患、脂質異常症、認知症の予防は、糖尿病でお話した内容と大半は共通しています。運動と食事がとても大切です。 高齢による衰弱も、ある意味、運動と食事に大きく関わっています。エベレストに登られた三浦雄一郎さんや、私の体験からも、 身体のお手入れの方法によっては30〜50年は若返ることが可能です。 では、関節疾患と骨折・転倒については、どうでしょうか?

◎腰痛、膝痛



若いうちから腰や膝への負担を軽くすることが、健康長寿には大切です。腰痛や膝の痛みは、二足歩行を行う人間の弱点ですが、 70代以上では90%が変形性膝関節症、というデータが出ています。 特に、女性の場合、女性ホルモンが減る閉経後は、骨粗しょう症のリスクが増えるのと同時に、膝の関節痛や腰痛が増えてきます。

40代に入る頃から、筋力の衰え、骨密度の低下を予防するとよいでしょう。更年期に入った方でも、運動と食事により、 衰えた筋肉や骨を20代、30代くらいに上げることができます。

職業によっても、特有の病気や、ケガが増えます。同じ姿勢を長時間続けるような仕事は、腰痛・肩こり・関節痛が増えてきます。 トラックの運転手の方が腰痛になりやすいのは有名ですが、タクシーのドライバーは左肩を痛める人が多いことが知られています。

同じ姿勢を長時間続けると、血行障害が起こったり、関節に負担がかかったりします。人間は動物で、運動する生き物です。 先祖であるサルなど、他の動物から学ぶことで健康増進のヒントが得られます。現代の日本人は、90%の人が運動不足といえると思います。 関節痛、骨折を予防することで、寝たきりにならない健康ライフを目指しましょう。

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3ダイエット
糖尿病の運動療法のところで述べたように、食後20分の有酸素運動が大切です。肥満対策としては、食前でも食後でもよいですが、 少なくとも20分以上、30〜60分が効果的です。

私の経験で恐縮ですが、柔道の大会で、71kg級以下級で優勝した際には、45日間で10.5kgの減量をしました。 一般の方にはお勧めしませんが、体力・筋力・スタミナのよい状態を維持しつつ体重を減らさなければなりませんでした。 科学的・理論的に実践することで減量のうまさが奏功し、金メダルがついてきました。ところが、ちまたにあふれるダイエット法は、 お勧めできないものも多く見受けられます。

一流のスポーツ選手が行っている『カーボ・ローディング(グリコーゲン・ローディング)理論』を理解して実践なされば、 健康的な体重減量が可能となります。 みなさんお一人おひとりが、健康の正しい知識を得て、実践していただければ、健康長寿の人が増え、 なおかつ日本の医療費を抑制することもできるでしょう。そうすれば、さいごまで元気でイキイキ、PPK(ピン・ピン・コロリ) を実現できると確信しています。ぜひ、ご一緒に健康長寿を目指しましょう!!

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講座企画・運営:吉田源司
テキスト製作:澤野 進
会場写真撮影:飯嶋重章
HTML制作:上野治子

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