黄人と見れば凡ての職業に就くを妨害し、家屋耕地の貸付をなさざるのみならず、甚だしきはホテルに一夜の宿を求むるにも白人の保証人を要する所ありと云うに至りては、人道上由々しき問題にして、仮令黄人ならずとも、筍も正義の士の黙視すべからざる所なり。即ち吾人は来るべき講和会議に於て英米人をして深く其の是非を悔いて傲慢無礼の態度を改めしめ、黄人に対して設くる入国制限の撤廃は勿論、黄人に対する差別的待遇を規定せる一切の法令の改正を正義人道の上より主張せざる可からず。
排日移民法(大正13年)
米国は日本人種の劣等を理由として排斥条項を可決した次第ではない。彼等の云う所は日本人と米国人とは恰も油と水との関係である。何れが優等とも劣等ともいうことは出来ないが、油は水と一体になることが出来ぬものである。即ち日本人は米国に同化せざるものである、同化せざるものを米国の社会組織中に入れることは米国の将来に禍を為すものであるということが、日本人排斥論の最も重要な前提となって居るものと認められる。尤も我々は日本人不同化性の前提が、今日迄何等確定的事実に依って証明せられざる所の一片の独断的見解なることを信じ、其の趣旨は既に日本政府の米国政府に送りたる公文書中にも大体説明してある所である。
ヒットラー
我が闘争(昭和2年)
今後、かりに欧米が滅亡してアーリア人の影響が日本に及ばなくなったとしよう。その場合数年で日本の科学と技術は泉が枯れ、70年前の眠りに再び落ちてゆくであろう。かって遠い昔に日本文化は外国の影響によって覚醍されたのであるが、外からの影響が欠けてしまうと、其の文化は化石化し、硬直してしまった。ある民族が文化を他人種から本質的な基礎材料として受け取り、同化し、加工しても、それから先き、外からの影響が絶えてしまうと、またしても硬化するということが確実であるとすれば、このような人種は、おそらく「文化支持的」と呼ばれるが、決して「文化創造的」と呼ばれることはできない。
竹越与三郎
動く満蒙(昭和3年)
到る処の植民地に於て人心が皆動揺して、ヨーロツパ文明即ち白人に対する反抗心が強くなってきた。ヨーロツパ人は、これを反逆と称して居るが、自分達が世界を我が物と思っておる甚だ無礼千万な言葉である。有色人種の動揺の原因は、アメリカのウイルソンが民族自決を唱えたこともあるが、遠く其の原因を求むれば、日本が東洋の一隅に勃興して、ヨーロツパの勢力を負うて立った所のロシアを叩き潰したと云うことが最大の原因である。今後日本の態度に付いては列国が十分監視しなければならぬという議論が非常な勢力を以ってヨーロツパに行われ、白人を統一して有色人種に対する戦線を整理せんとしつつある。(昭和6年満州事変)
松岡洋右
動く満蒙(昭和6年)
ブラジルへの移民も一年に数千しか行けない。八十万も毎年増えて居る日本内地の人口間題には大して足しにはならぬ。国内を見ても外政を見ても息が詰るというような感じがする。吾々は息を吸うだけの余地を求めて居る。大和民族は最小限度に於いて生存権を主張して居る。世界の平和を祈念するに於て、日本国民は何国人にも一歩も譲らぬ。併し窒息死に至らば、世界の平和も何もない。然るに徒に世界の平和に籍口して自分の生存権さえも之を主張し得ないというのが今日の外交である。国民が幣原外務大臣から聞きたいのは、赤裸々なる我が外政の実相と、之に対する対策とであり、「事態の推移を唯注視して居る」というような腹
にも無い泰平無事を装うような説ではない。
荒木貞夫陸軍大臣
日本の神聖な任務(昭和8年)
インドは三億の人口を有するが、英国の圧政治下に惨憺たる状態であり、重大な危機に面している。・・・極東における事態がかくの如くである以上は、自他共に認めて東洋の盟主でありとする日本が、そしてその神聖なる任務が隣邦を救うことにある以上は、座して黙すべきであろうか。・・・東洋における諸国は白人種の圧迫の下にある。しかしながら覚醍せ
る日本は、かれ等の暴虐と圧制をこれ以上許しておくことは出来ぬ。 日本精神はその性質上、七つの海にまたがって宣布され、五つの大陸にまで押し広めらるべきものである。その進路を妨げるものがあれば力によってこれを排除せねばならぬ。
昭和天皇
大東亜戦争の遠因(昭和21年)
この原因を尋ねれば、遠く第一次世界大戦后の平和条約の内容に伏在している。日本の主張した人種平等案は列国の容認する処とならず。黄白の差別感は依然残存し加州移民拒否の如きは日本国民を憤慨させるに充分なものである。又青島還付を強いられたこと亦然りである。
かかる国民的憤慨を背景として一度、軍が立ち上った時に、之を抑へることは容易な業ではない。
私(河部)の結論
「太平洋戦争は何故起こったのか」「それを止められなかったか」を調査していった結果、
その遠因が「黄禍論」に基づく「人種差別」にあることが判った。
時代を語る軍歌・流行歌
勇敢なる水兵 「・まだ沈ますや定遠は」
馬賊の歌 「・支那にゃ四億の民が待つ」
流浪の旅 「・いずこの土地の土と終わらん」
船頭小唄 「・どうせ二人はこの世では」
昭和維新の歌 「・混濁の世に我立てば」
麦と兵隊 「・遠く祖国を離れ来て」
父よ貴方は強かった 「・泥水すすり草をかみ」
太平洋行進曲 「・仰ぐ誉れの軍艦旗」
若鷲の歌 「・七つボタンは桜に碇」
同期の桜 「・血肉わけたる仲ではないが」
海征かば 「・大君の辺にこそ死なめ」
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